立ち上がりの10分間が素晴らしかった。今大会の日本のテーマである守備から攻撃への切り替えが良く、「先に点を取ってやろう」という積極性が光った。
1次リーグのモロッコ戦、ホンジュラス戦は、まず相手の動きを受け止めてから、徐々に日本のペースに持ち込もうとしたが、うまくいかなかった。エジプトは、初戦のスペイン同様、細かくパスをつなぐスタイル。前線からFWが精力的にプレッシャーをかける日本の戦術がはまった。
先制点は永井のスピードが生きた。清武がボールを奪って、1本のパスでエジプトの守備陣の裏を突いた。少ないパス交換でスピーディーにゴールに迫る形は日本の武器。理想的な先制点だったと言える。
90分間ずっと自分たちのペースで進められる試合はない。今回も、先制点を取った後、エジプトにボール支配率で負けていた。しかし、ゴール前で相手を自由にさせなかった。五輪での4試合はまだ無失点。不安要素だった守備が劇的に改善し、チーム全体に自信がみなぎっている印象だ。
これまで永井の存在感が目立っているが、大津や出場時間を増やしている斎藤の調子が上向きだ。セットプレーからもチャンスを作れている。欲を言えば、シュートまで持っていく過程で、パスで相手を崩しきるアイデアが欲しい。
44年ぶりのベスト4。今の勢いそのままに準決勝に臨んで欲しい。序盤からアグレッシブな姿勢を貫けばメダルを手にできる。(元日本代表主将)