2021.2.20(土) 13:35〜 FUJI XEROX SUPER CUP
2021 川崎F@埼玉
[プレビュー]FUJI XEROX SUPER CUP 2021で川崎にリベンジへ。ニューガンバがそのベールを脱ぐ
昨季、タイトル争いの舞台に再び返り咲いたガンバにとって2021シーズンの至上命令はタイトル奪回。短いオフをはさんで始動したチームは常勝軍団の復権に向けて、明確な目標を掲げてキャンプを過ごしてきた。
「守備では粘り強く全員で戦うというところは残しながらも、自分たちがボールをもう少し持ちながらゲームを動かしてチャンスを多く作り出す戦い方にトライしている」
指揮官がはっきりと明言したのはより攻撃的なスタイルへの挑戦だ。ハードワークと粘り強い守りという昨季積み上げてきた戦いに加えて、タイトル奪還に必要なのはやはり、勝負どころで相手ゴールを確実にこじ開ける攻撃の迫力。昨季の躍進を支えた一撃必殺のショートカウンターだけでなく、今季はかつてガンバの表看板だったポゼッションからの崩しもチームは目指すことになる。
韓国代表のセジョンや新エース候補のレアンドロ
ペレイラら実力者を加えたガンバが今季、最初の公式戦となるFUJI
XEROX SUPER CUP 2021で顔を合わせるのは、昨季、2つのタイトル獲得を阻まれた川崎である。
「昨季は川崎相手に非常に悔しい思いをしてきた。その悔しさをまず一発目の試合で晴らしたい」と話したキャプテン、三浦の決意はガンバに携わる全ての人の思いでもある。
昨季の公式戦では川崎相手に3戦3敗。元日の天皇杯決勝からわずか2ヶ月足らずで巡ってきたリベンジの舞台で、チームが目指すのはもちろん勝利の二文字だ。
「ここでいい勝ち方ができれば波に乗っていけるしサポーターの方に『今年は行けるぞ』というところを見せられる」(倉田)。一週間後に迫ったJ1リーグの開幕戦に向けても弾みをつけるべきFUJI
XEROX SUPER CUP 2021だが、結果と同時に川崎相手に現状のガンバの立ち位置が試される一戦でもある。
昨季は3バックと4バックを臨機応変につかいこなしたガンバだが、ACLにも参戦する過密日程に備えて、宮本監督は新たなフォーションにもトライ。豪華な前線を生かす3トップの採用もその一端だ。「今までの速攻はもちろんだけど、遅攻もより質を高くしていくところを見てもらいたい」と三浦もチームの方向性を口にした。
一方、中村が現役引退したもののチームベースが健在な川崎は名古屋からボランチのシミッチを獲得。ガンバが昨季苦杯を嘗めた三笘や家長ら強力3トップも健在だ。「自分たちがトライしてきたことを出す部分と、川崎の強みをいかに消すことが出来るのかを踏まえて戦いを挑みたい」(宮本監督)
粘り強い守備と迫力ある攻撃――。今季目指すニューガンバの一端を川崎相手に披露する。
ハーフタイムコメント
・1対1の局面で負けない。
・迫力をもって相手ペナルティエリア内へ攻め込もう。
・1点獲って流れを変えよう。
FUJI XEROX SUPER CUP 2021 ●2-3 川崎F@埼玉
新シーズン幕開けを告げるFUJI XEROX SUPER
CUP2021。昨シーズンJ1リーグと天皇杯を制した2冠王者、川崎Fに対して新生ガンバが挑む。宮本監督はこの試合でキャンプから積み上げた4-3-3のシステムを採用するとGK東口、DF藤春、三浦、菅沼そして小野瀬を右サイドバックで起用。中盤には山本、倉田、井手口、そしてFWに矢島、パトリック、19歳川�アがトリオを組む新布陣で対川崎Fに臨む。新型コロナウイルスの影響で5,000人の人数制限下での開催となったものの、新シーズンを待ちわびた4,208人の観衆が見守る中、注目の一戦は13:35にキックオフを迎えた。
試合は開始早々、三笘の至近距離からのシュートを東口が防ぐビッグセーブを見せる。さらに9分、川崎FのCKからジョアン
シミッチに頭で狙われるがこれも東口が左足でスーパーセーブ!こぼれたボールを谷口に狙われるがこれは枠上へ。立ち上がりから東口が好セーブを連発し、まずは守備からこの試合のリズムを掴む。14分、今度はガンバが中盤でテンポよくボールを回すと、右サイド矢島のクロスをパトリックがオーバーヘッドで狙うがこれは相手GKのセーブに遭い惜しくもゴールとはならず。その後は徐々に川崎Fがボール支配率を高め攻勢に出る展開へ。18分、右サイドでボールを受けた家長が運ぶと左足で狙い澄ましたシュートを放つがこれは僅かに枠を逸れる。29分には川崎F・田中が三浦との競り合いから粘ってパスを送ると、DFラインの背後に抜け出した三笘がこれを落ち着いて蹴り込み川崎Fが先制。前半のうちにリードを許す苦しい展開に。さらに直後の32分、川崎Fに追加点が生まれる。左サイドからのクロスが流れたところから山根がシュート性のクロスを送ると、ゴール前で待ち構えた三笘がプッシュ。先制ゴールから3分後、三笘にこの日2得点目が生まれ、0-2とリードを広げられる。2点のリードを許したまま前半終了を迎え、試合は後半へ。
宮本監督はハーフタイムに「1点獲って流れを変えよう」と前半と同じメンバーをピッチへ送り出す。すると60分、待望のゴールがガンバに生まれる。ゴール前の攻勢からこぼれたボールを山本が頭で繋ぐと、矢島が反転から蹴り込みゴールネットを揺らす。2021シーズンの初ゴールが矢島の左足から生まれ、2-1と1点差に。1点差に迫ったところで川崎Fがこの日最初の選手交代を行う。ジョアン
シミッチと脇坂を下げ、塚川と橘田の2人を投入。しかし1点を奪い勢いに乗るガンバは67分。GKから細かくパスを繋ぎ相手ペナルティエリア内に攻め込むと川�アの浮き球のパスが川崎F・山根のハンドを誘い、PKを獲得。このPKのチャンス、キッカーを務めるパトリックが力強く蹴り込み2-2の同点に追いつく!2点のビハインドから7分間で同点に追いついたガンバ。一気に逆転を狙うガンバは直後に川�アと矢島を下げ、レアンドロ
ペレイラとチアゴ アウベスを投入。期待の新加入ブラジル人コンビがピッチへ入ると、この選手交代で勢いを加速させたガンバがその後も逆転ゴールを狙い続ける。山本のスルーパスからチャンスメイクすると、藤春の右足でのシュートは川崎FDFジェジエウが身体でブロック。直後のCKでは山本のインスイングのキックを菅沼が頭で狙うもこれはわずかに枠上へ。対する川崎Fも72分、レアンドロダミアンと三笘を下げ、小林と長谷川がピッチに。ガンバも80分、パトリックに代え一美を投入。逆転ゴールを狙い、宮本監督が攻撃的な選手を次々ピッチに送り出す。84分には川崎F・鬼木監督も家長に代え遠野を投入し、試合は最終盤の攻防へ。お互いに最後までゴールを狙いにいくと、PK決着を目前かと思われた後半アディショナル+6分だった。川崎Fのカウンターから小林に右足ミドルを許すと、これがゴール左隅に決まり勝ち越しゴールを許し、直後に試合終了のホイッスル。
王者・川崎Fを追い詰めるも最後に突き放され惜敗に終わったガンバ。今シーズンの初戦を勝利で飾ることはできなかったものの、試合後に「見えたものもある」と話した宮本監督。打倒川崎F、そしてタイトル獲得へー今季のガンバの戦いはまだ始まったばかりだ。
[ 宮本 恒靖監督 ]
もちろん、勝利をすることを目的としてスタートした試合ですので、結果に関してはやはり残念には思っています。ただ、選手が見せてくれたもの、内容というのは、自分たちが今年シーズンがスタートしてから取り組んできたものがたくさん出たところはあると思っていますし、そういったところは良かったと思います。もちろん、相手チームに上回られる瞬間もありましたけど、そういうところは今後改善していくというふうに、いろいろなものが、基準が見えたような試合だったと思いますし、また来週からのリーグ戦に向けて良い準備をしたいというふうに思っています。
−−今年に入ってより攻撃の部分に注力して取り組んでこられたと思いますが、そこの部分に関して、今日の評価を聞かせてください。
前半に関してもボールを動かすとか、相手のプレスをいなすというところはあった時間帯もありましたけど、もう少し相手のペナルティーエリア内への進入を増やしたかった、というのが前半の感想です。後半に関しては、そういったものが出た結果、得点につながったと思います。
ただ、もっともっと質を上げていきたい、上げていかきゃいけないとも感じています。
−−後半の途中からチアゴ アウベス選手とレアンドロ
ペレイラ選手を起用し、迫力ある攻撃も見せられたと思う部分もあると思いますが、新加入選手の評価についてはいかがですか。
合流して間もなく、2週間しか経っていない中でリーグ戦に向けてゲームコンディションだったり、コンビネーションを高めていかないといけないというところもありましたから、今日は時間を限定しての出場になりましたし、そういった中でもそれぞれの良さというものはあった、またチャンスを作ることができたというふうに見ています。
−−今日は後半すごく改善されたと思いますが、ハーフタイムにどのような指示を出されたのでしょうか。
後半に入るにあたっての、守備のところの縦ズレの距離感だったり、攻撃に関してももう少し相手を見ながらボールを動かす時間帯も作りながら、ペナルティーエリア内への進入であったり、そこの人数のかけ方、タイミングというものは伝えました。
[井手口 陽介]
チームとしてやりたいところができた部分とできなかったことがあったので、しっかりとその課題をリーグ戦までに少しでも直して、良かった部分を継続して出していきたいと思います。
−−良かった部分と悪かった部分をピッチ上でどのように感じた?
後半の途中は守備に回るだけでなく、良い距離感でボールを回せたと思うし、ボールを回すだけじゃなくゴール前までボールを運べていたので、そこはすごく良かったと思います。うまくいかなかったのは守備でチームとしてハメたいときになかなかハメられず、そのときの対処法だったり、何度も崩されているシーンがあったので、そういうところは改善しないといけないと思います。
−−後半の途中からボールを前に運べた要因は井手口選手と倉田
秋選手が裏への飛び出しを意識していたことが要因かと思いますが、[4−3−3]だとインサイドハーフの抜け出しが大事になると感じている?
裏への抜け出しもそうですけど、中盤3枚の距離感が非常に大事だと思うので、お互いを見ながら、良い距離感でやれればボールは前に運べるので、そこをやっていきたいと思います。
[東口 順昭]
押し込まれた中で2失点して少し相手のペースになった部分もありますけど、そこから2点を返して、(勝つのが)どっちか分からないような試合にできたのは自分たちの積み上げてきたものの自信になりますけど、最後勝ち切れなかったというのはまだまだ改善しないといけない。(収穫と課題の)両方が出た良い試合だったと思います。
−−昨年までは川崎Fに対して手堅く守ってカウンターというゲームプランもあったと思いますが、今日はどのような狙いを持って試合に入ったのでしょうか。
自分たちがボールを持って意図的に崩すというところはキャンプからやっていますし、それがどれだけできるかなという不安もありましたけど、その中でこういう結果だったのかなと。
総評
宮本監督「もちろん、勝利することを目的としてスタートした試合ですので、結果に関してはやはり残念には思っています。ただ、選手が見せてくれたもの、内容というのは自分たちが今年シーズンスタートしてから取り組んできたものがたくさん出たところはあると思っていますし、そういったところは良かったと思います。もちろん、相手チームに上回られる瞬間もありましたけど、そういうところは今後改善して行くという風に、色んなものが、基準が見えたような試合だったと思いますし、また来週からのリーグ戦に向けて良い準備をしたいという風に思っています。」
Q「今季に入ってより攻撃の部分に注力して取り組んでこられたと思いますが、そこの部分に関して今日の評価を聞かせてください。」
宮本監督「前半に関してもボールを動かすとか、相手のプレスをいなすという時間帯もありましたけど、もう少し相手のペナルティエリア内への侵入を増やしたかった、というのが前半の感想です。後半に関してはそういったものが出た結果、得点につながったと思いますし、後半は特に距離感がよくなったと思っていますし、それは良い守備というものも後半見られたのも、要因だと考えています。ただもっともっと質を上げて行きたい、上げていかないといけないとも感じています。」
Q「後半の途中からチアゴ・アウベス選手とレアンドロ・ペレイラ選手を起用し、迫力ある攻撃も見せられた部分もあると思いますが、新加入の選手の評価についてはいかがですか。」
宮本監督「合流して間もないですけど、2週間しか経っていない中で、リーグ戦に向けてゲームコンディションだったり、コンビネーションを高めていかないといけないというところもありましたから、今日は時間を限定しての出場になりました。そういった中でもそれぞれの良さというものはあった、またチャンスを作ることができたという風に見ています。」
Q「今日は後半すごく改善されたと思いますが、ハーフタイムにどのような指示を出されたのでしょうか。」
宮本監督「後半に入るにあたっての、やはり先ほどお話しした守備のところの縦ずれの距離感だったり、攻撃に関してももう少し相手を見ながらボールを動かす時間帯も作りながら、ペナルティエリア内への侵入であったり、そこの人数の掛け方、タイミングというものは伝えました。」
Q「今日は小野瀬選手に右SBに起用したのと、矢島選手を右ウイングのような形で起用されましたが、その理由を聞かせてください。」
宮本監督「右サイドのコンビネーションを確立するにあたって、二人の関係性をうまく生かしながら、相手陣内の深いところに入って行く、また、そこでのクオリティというものも求めての起用になりました。」
Q「それは対川崎ということを意識して、2人の選手を選ばれたのでしょうか。」
宮本監督「もちろん対川崎というところもありますし、現在の選手個々のコンディションのばらつきがあるところ、また、やはり攻撃的な選手がプレーするとどういう変化が生まれるのかというところももう少し見たかったというところもあります。」
Q「実際に宮本監督はどのように評価されているのでしょうか。」
宮本監督「ある程度予想通りです。良かったところもありますし、また違う形も、もちろん視野に入れながら、メンバーの構成、または違う選手がというところも含めて、プランはあります。」
Q「前半の立ち上がり、前からの連動した守備がいい形でセカンドボールを何度も拾えていたところから、少し飲水タイムを挟んで、流れが変わったように見えましたが、前半の勢いが落ちた原因をどのようにご覧になっていますか。」
宮本監督「DFラインが少し下がってしまったかなと思います。もちろん相手チームの背後への抜け出しとか少し押し込まれるような展開もあったので、そういったものがちょっと重たくなったという風に見ています。あとは前線は追いかける、プレッシャーをかけようとするんですけど、中盤から後ろが少し出てこられなかったというところもあるかなと思います。あとは1点を取られて、2点目までの時間の少なさというか、少し1点取られてからの気落ちが前半の残り時間、遅い時間帯の試合運びにつながってしまったかなというようには思います。」
Q「前半は藤春選手が少し中央に入ってビルドアップに関わったり、外でのプレスをかわしたりと、パス回しの改善を図っているように見えましたがSBが中央に入ってビルドアップを助けるという形は、安定性を高めるための狙いにしているところでしょうか。」
宮本監督「そうですね、それはトレーニングはしてきています。」
Q「後半は特に山本選手が効いていて、ロングパスもセカンドボールを拾うことも良かったと思いますが、今のアンカーで彼の良さはどういう部分にあると見ておられますか。」
宮本監督「今日は尻上がりに良くなったとは思います。ただ、前半に関しては少し消極的なプレーも見られたので、やはり90分を通じて存在感のあるプレーを出してもらいたいと思いますし、セットプレーなんかでも得点につながるようなそんなクオリティの高いキックも期待しています。」
Q「宮本監督は現役時代にもFUJI XEROX
SUPER CUPにも出場されたことがあると思いますが、この大会の位置付けというか開幕に向けてこの試合をどういう位置付けでとられていたのか、そして今日の内容と結果を受けてどのような手応えを感じたのか教えてください。」
宮本監督「リーグ戦の開幕前に公式戦を迎えるというところで、もちろん勝敗にこだわって戦うというところが一つともう一つは、公式戦、リーグ戦の一週前に力のある相手とやることで、現状の立ち位置、ないしは足りないもの、色んなものが見える試合だという風にとられて調整はしてきましたし、結果はやはり色々なものが見えたと思っていますから、それを来週以降に向けて生かして行きたいと思います。」