2020.11.3(火 祝) 14:00〜 明治安田生命J1リーグ
第26節 C大阪@ヤンマー
[プレビュー]ホームで敗れた借りはアウェイで返す。ガンバが総力戦でダービーに勝ちに行く
「負けられない戦い」。ガンバにとって大阪ダービーをこう評する選手は多いが、敵地で行われる今回の一戦は、絶対に勝たなければいけない戦いだ。
リーグ戦では過去23勝ち5分け11敗、手にして来たタイトルの数でも圧倒するガンバだが、直近のダービーでは2度、負けが続いている。
ダービー史上初めてリモートマッチで行われた7月の戦いでは0-1で敗れているが、ホームで17年ぶりに味わった屈辱を選手の誰もが忘れていない。
「今でも忘れられないぐらい悔しい試合だった。それを払拭するためにも明日勝って、喜びたい」と力強く言い切るのは現在、三浦に代わってキャプテンマークを腕に巻く倉田である。
コロナ禍によるリーグ戦の中断が終わり、再開初戦となったホームのダービーで遅れを取ったガンバだが、あれから4ヶ月の時が流れ、ガンバは当時と全く異なる本来の強さを見せている。
前節の札幌戦は先手を取られながらも、セットプレーから途中出場のパトリックが決勝点。札幌を突き放しきれず、終盤は苦戦を強いられたが、東口の体を張ったプレーに象徴されるように、チーム全員が勝利に向けて献身的にプレーできるのが今のガンバ。接戦をものにして3連勝を掴み取った。
直近の10試合を9勝1分けというハイペースで乗り切ってきたガンバが中2日の過密日程で挑むダービー。しかし、宮本監督はキッパリと言い切った。
「コンディション面は問題ではない。前回ホームで負けているのでアウェイで勝てるように選手と一緒にやっていきたい」
ガンバサポーターも足を運ぶアウェイの地で、ガンバが目指すのは勝ち点3の奪取のみ。
鍵を握るのは、90分を通じたゲームマネージメントと、最近の試合でガンバが見せてきた一瞬の隙を突く勝負強さになる。
リーグ3位の堅守を誇るガンバだが相手もリーグで4番目に少ない失点数で乗り切っている。
ホームで敗れただけでなく、ゴールをこじ開けきれなかった宇佐美もまた、倉田同様に悔しさを噛み締めている一人である。「7月の戦いでは焦れて隙を作った末に、点を取られて試合をクローズされてしまった」(宇佐美)。
ブロックを形成し、割り切った守備を見せてくる相手をこじ開けるには「自滅しないこと」(宇佐美)が大事になるが、今のガンバには流れの中だけでなく、一発で試合の流れを変える「伝家の宝刀」も備わっている。
3試合連続でセットプレーからゴールをこじ開けているガンバだが、宇佐美も虎視眈々と一発のキックを狙っている。
「サポーターの方と一緒により一層の喜びを分かち合えるのがダービーの勝利。そこに全力を注ぎたい」(宮本監督)。
大阪の雄がガンバであることを敵地で見せつけ、今度こそ歓喜の雄叫びをサポーターとともにあげるのみだ。
ハーフタイムコメント
・簡単な試合にはならない。ここからが勝負。
・守備は高い位置で連動した守備ができている。これをやり続けること。
・3人目が絡んだ攻撃でゴールを目指すこと。
2020明治安田生命J1 第26節 △1-1 大阪ダービー@アウェイ
特別な試合―。前日会見で宮本監督をはじめ、選手らも口を揃えてそう言うように、大阪の覇権を争い続けてきたC大阪との「大阪ダービー」は常に特別な一戦だ。リーグ戦では過去39回対戦し、23勝5分11敗。大きく勝ち越してはいるものの、直近2試合は連敗中。とりわけ7月にホームで17年ぶりに喫した黒星の悔しさは今も忘れることはできない。前回の対戦では前半終了間際に一瞬の隙を与え先制を許すと、C大阪の堅守を前に攻撃陣が沈黙。さらに丸橋のミドルでリードを広げられると、PKで1点を返すことがやっとだったが、ガンバも夏場の試行錯誤を経て4ヶ月が経った今はチームが大きく成長。守備の安定をベースにした戦いぶりで苦しい試合を勝ちきる勝負強さを身につけた。ここ10試合は9勝1分の負けなしでまさに快進撃を続けるガンバは前節、札幌に勝利を挙げ勝点を51とし順位表の上でもセレッソを抜き去り現在単独2位。対するセレッソも堅守をベースに勝点48を積み上げており4位と上位同士で再びぶつかる今節は前回対戦のリベンジのみならず、首位の川崎Fに追いつくためにも絶対に勝たなければいけない試合となる。チケット完売となったヤンマースタジアム長居には 19,553人の観衆が駆けつけ、14:03に40回目となる大阪ダービーの火蓋が切って落とされた。
試合は1分、相手DFのクリアボールを拾った倉田がカットインから右足でシュートを放つ。これのシュートは枠上へ外れるものの、この試合のファーストシュートを放ったのはガンバ。宮本監督がポイントになると話していた立ち上がりから積極的な試合への入りを見せる。しかしその後は徐々にC大阪にペースを握られると11分、スルーパスに反応した坂元に突破されると折り返しからレアンドロ
デサバトにシュートを放たれるがこれは菅沼が身体を張りブロック。こぼれ球を再び松田に狙われるが、これは枠上へ。18分、ガンバが中盤で細かくパスを繋ぐと、小野瀬のクロスからパトリックの落としたボールを倉田がシュートしネットを揺らしたかに思えたが、これは直前にパトリックのファールを取られノーゴールの判定に。惜しくもゴールとはならなかったが、この日先発出場のパトリックを起点にチャンスメイクを行うガンバ。すると32分、そのパトリックのポストプレーからゴールが生まれる。福田のクロスを跳ね返されたセカンドボールを拾い組み立て直すと、小野瀬のクロスをファーサイドでパトリックが胸トラップで収めキープ。マテイ
ヨニッチをリフティングでうまく交わして、ボールを落とすとそこに走り込んできたのは井手口!ダイレクトで左足を振り抜くと、鋭いシュートがニアサイドに突き刺ささる。GKも一歩も動けずネットを揺らし、この試合の先制点を挙げたのはガンバ!井手口の2試合連続となるゴールで1-0とアウェイで貴重なリードを奪う。しかし直後の34分、C大阪も意地を見せる。丸橋のFKを木本に右足で合わされると、バーにヒットした跳ね返りを豊川に頭で押し込まれ失点。すぐさま同点に追いつかれ、試合は1-1の同点に。その後、試合は両チームの意地と意地がぶつかり合う展開に。C大阪が40分に藤田にシュートでゴールを脅かすと、直後の41分には小野瀬のスルーパスに反応した宇佐美がGKと1対1となりシュートを放つ。しかし、この場面も相手GKキム
ジンヒョンのビッグセーブに遭いゴールを割ることはできない。試合は両チームともに譲らず1-1の同点で前半終了。
ハーフタイムに宮本監督は「簡単な試合にはならない。ここからが勝負」と指示を送り、前半のメンバーをそのままピッチに送り出す。対するC大阪も選手交代なく試合は勝負の後半へ。52分、パトリックの落としたボールを小野瀬がダイレクトで狙うが、これは相手DFに当たり枠を捉えることはできない。後半も良い流れでゲームを進めていたガンバだったが、55分にアクシデント発生。DFキム
ヨングォンが負傷しピッチに座り込むとピッチ外で治療を受け一度はプレーに戻るものの、直後に再び座り込みプレー続行不可能に。急遽この日が復帰戦となった三浦がそのキム
ヨングォンに代わりピッチへ入る。63分にはC大阪もこの日最初の選手交代を行うと豊川に代わり柿谷が投入される。70分にはC大阪が清武と柿谷のコンビネーションでガンバのDFラインを突破してゴールに襲い掛かって来るが最後の奥埜のシュートには井手口がブロック。決定的な場面だったが、この日も井手口の活躍で相手の攻撃をシャットアウトする。その後は両チームともに中盤で激しい球際の攻防の応酬となり、ダービーらしく息をのむ展開に。勝ち越しゴールを狙う宮本監督は、81分に2枚替えで小野瀬と福田を下げ、矢島と藤春を投入。82分、C大阪・柿谷にスルーパスが通るがここは途中交代で入った三浦がスライディングでブロックに入り、シュートは打たせない。89分にはガンバがこの日最後の交代で倉田と宇佐美に代え川�アと渡邉を投入。対するC大阪も坂元を下げ片山がピッチに。後半アディショナルタイムには清武にオーバーヘッドで狙われるがわずかに枠を逸れ、試合はそのまま終了。両チームともに勝利を目指した死闘だったが両者譲らず1-1の引き分けでともに勝点1を分け合う結果となった。
[ 宮本 恒靖監督 ]
−−互いに決定機もありましたが、その中での引き分けという結果をどのようにとらえられていますか。
前回の対戦はホームで負けているので、やはり今日に関しては勝点3を取りたいということでスタートしましたから、結果に関しては残念な思いももちろんありますけど、選手がしっかりと途中から見せてくれた、ダービーを戦うというところのパフォーマンス、まあプレーの質は置いておいて、メンタルのところに関してはしっかりとしたものを出してくれたというふうに思います。あとは失点のシーンで、得点してからすぐにセットプレーを与えて、その対応もそうですし、セットプレー自体もそうですし、そこがもったいなかったという印象を受けます。
−−勝ち越すために欲しかったものはどういう点でしょうか。
やはり良い時間帯が後半あった中で、そこを決め切る、チャンスをシュートにつなげるだけの、もちろん相手のチームも強さがあるんですけど、そこで枠にボールを飛ばすシュートの強さだったり、そういったところが今日は足りなかったと思います。
−−いま分かっている範囲で構いませんが、キム
ヨングォン選手の状態はいかがでしょうか。
先ほどドクターのチェックは受けていましたが、まだ報告は上がっていないですし、いまはハッキリとしたことは分かりません。
[井手口 陽介]
−−今日は先制点だけでなく、守備でも存在感を見せていましたが?
試合が始まる前のミーティングから、サッカーがどうこうこうより、人と人との戦いで負けないこと、気持ちを前面に出していこうという話をしていたので、そこはホームで負けているし、絶対に負けたくないという気持ちでやりました。
−−チームとしては11試合負けなしだが、今後への抱負は?
いま守備では粘り強く守れていますし、攻撃でも皆が自由にできていて良い攻撃がやれているので、それを継続していきたい。
[三浦 弦太]
−−久しぶりの出場でタイトな試合だったが、投入のときにどういう気持ちだった?
アップもそこまでできていなかったし、チームに合流してまだ1週間も経っていないぐらいだったので難しさはありましたけど、その中で入って結果的には引き分けでしたけど、ギリギリで守り切れて良かったかなと思う。
−−負傷の箇所に関してはどういう状態だった?
肉離れをしていて、けっこう長めに離脱していました。いまはケガの方は良くなって合流できています。
総評
Q「互いに決定機もありましたし、その中でのこの引き分けという結果を監督はどのように捉えていますか。」
宮本監督「前回の対戦でホームで負けているので、今日に関しては勝ち点3を取りたいということでスタートしましたが、結果に関しては残念な思いももちろんありますけれど、選手がしっかりと途中から見せてくれたダービーを戦うというところのパフォーマンス、プレーの質は置いておいて、メンタルのところに関してはしっかりとしたものを出してくれたかなと思います。
あとは失点のシーンで、得点してからすぐにセットプレーを与えて、その対応もそうですし、セットプレー自体もそうですし、そこがもったいなかったという印象を持っています。」
Q「同点に追いつかれても逆転は許しませんでしたし、勝ち越すチャンスもありましたけれど、もう一つ勝ち越すために欲しかったものというのはどういうところにありますか?」
宮本監督「いい時間帯が後半あった中で、決め切るチャンスをシュートに繋げるだけの、もちろん相手の守備も強さがあるんですけれど、そこのところ、枠にボールを飛ばすシュートの力であったりとか、そういったところが今日は足りなかったと思います。」
Q「今、わかっている範囲でいいんですけれど、ヨングォン選手の状態はどうでしょうか。」
宮本監督「先ほどドクターのチェックは受けていましたけれど、まだ報告は上がっていないですし、ちょっと今ははっきりとしたことはわかりません。」
Q「試合を通じて坂元選手の封じ方など、プラン通りにいったところといかなかったところを監督としてどう捉えられているか教えてください。」
宮本監督「坂元選手に関しての対応は、試合前に伝えていたことを選手がしっかりとやってくれたところはあると思っています。ただボールを持たれた場所もそうですけれど、ちょっと簡単にラインを下げてしまうところがあったのが、前半の立ち上がりなんかは特にありましたし、あとはボールを奪ってからもっと簡単に前につけるとか、そこのミスを少なくするとか、ちょっとトランジションのところでもっと積極的に前方へのプレーが見られると、こちらに勢いも増したと思いますし、そういったものを途中、出せている時間帯もありましたけれど、全体を通して出せていたかというと、そうではなかったなと思います。」