2018.7.16(月 祝) 17:30〜 明治安田生命J3リーグ
第18節 鹿児島@吹田S
[プレビュー]難敵鹿児島にアウェイのリベンジを。若きガンバが個の力を問われる
前節、相模原にアウェイで勝ちきり5試合ぶりの勝ち点3を手にしたガンバ大阪U-23。「鹿児島は首位を争うチームで手強いが、ここで僕らも勝てば上位が見えてくる」と前節ゴールを奪った高が力を込めるように、暫定ながら6位の若きガンバにとっては上位戦線への生き残りをかけた重要な一戦が鹿児島との戦いだ。
引いた相手を崩すというテーマに対して、前節は宮本監督の狙いとする攻撃が機能。前節アウェイで3得点を決め勢いに乗ろうとしているガンバ大阪U-23だけに「やろうとしているサッカーを継続するだけ。前節のいいイメージは選手たちにも残っている」と宮本監督もチームへの手応えを口にするが、鹿児島は一筋縄ではいかない相手であるのも事実である。
暫定で2位につける鹿児島は現在リーグ戦で11試合負け知らず。特定の個に頼ることなく、攻守両面でコレクティブな戦いを見せてくる上に、相手チームの研究を行なった上で守備でもハードワークしてくるJ3屈指の好チームだ。
だが、指揮官にも選手にも臆する気持ちは一切ない。今季の足取りの中でガンバ大阪U-23は前年王者の秋田や、当時首位を走っていた沼津を撃破。「今の自分たちの力をしっかり出せば、どこが相手でもいい試合ができる」とは宮本監督の言葉だ。
アウェイではミス絡みの失点で自滅し、1対4で敗れている若きガンバにとっては格好のリベンジの場だが、鍵を握るのは攻守両面における個の力。「夏場は追いかける展開はキツイ。先手を取れるまでしっかりと我慢したい」と若き守備陣を束ねる西野は夏場の戦い方を知る選手の一人だが、鹿児島には決定力を持つアタッカーも揃っているだけに、セットプレーを含めて細心の注意が不可欠。先制点を与えれば、試合巧者の鹿児島相手に苦戦は必至だけに、チーム全体で踏ん張りたい。
そして連勝を手にする上で問われるのが前節、3得点を決めた攻撃陣の更なる奮起となる。
「今は2トップでいい関係が築けているし、攻撃を引っ張りたい。夏場の試合はお互いどれだけしっかりとチャンスを決めきれるか。チャンスメイクだけでなく、自分のゴールで勝ちたい」と言い切るのは攻撃の軸として機能中の一美だ。サイド攻撃に加えて、中の崩しにもバリエーションが増してきた若きガンバだが宮本監督は「鹿児島は簡単に点を取らせてくれない。選手個々の力を試す格好の相手になる」。
上位追撃に向けて勝ち点3を目指す若きガンバが、難敵相手にその成長の真価を問われる一戦だ。
アライバルインタビュー

宮本監督は試合前のインタビューで 「(大阪北部地震や平成30年7月豪雨で被災された方の中には)普段我々を支えてくださっている方々もいると思いますし、最後まで走り切る姿を見せていきたい」と語っていました。
ハーフタイムコメント
・コンパクトな陣形を保とう
・シュートは落ち着いてコースを狙おう
・最後まで魂を見せて勝つことにこだわろう
2018明治安田J3 第18節 △0-0 鹿児島@パナスタ
前節試合が無く、久しぶりの試合となった今節。
約40日ぶりのパナスタ開催で迎えたのは、3月のAWAY戦で4点を献上し完敗した鹿児島。気温は34度超え、過酷な状況の中17:30にキックオフした。
試合はガンバ大阪U-23が試合開始直後から、前線からの積極的なプレスを掛ける。
すると6分、森からの縦パスを受けた��木が、右に開いていた一美へパス。ペナルティエリア内でニアサイドに強烈なシュートを放つものの、惜しくもポストに阻まれる。
その後もコンパクトな陣形で運動量が多い若きガンバがボールを保持する時間が続くと、14分には森がゴール前で放ったシュートのこぼれ球を、一美が拾い、立て続けにシュートを放つも枠を外す。
直後の18分、19分にも��木、一美が再三シュートを放つが相手キーパーのファインセーブもあり先制点を挙げることができない。
その後も前半は終始ガンバペース。前半だけで10本ものシュートを放つが、ゴールを割ることが出来ず試合を折り返す。
後半は一転、鹿児島の反撃にあう。
前半は3本に抑えていた相手のシュートだったが、11分、そして19分にも強烈なシュートを放たれるなど、後半だけで10本のシュートを許すことになる。
しかし、鈴木のファインセーブや、最終ラインの身体を張ったディフェンスで粘り強くゴールを守ると、ハーフタイムに宮本監督から「最後まで魂を見せて勝つことにこだわろう」との檄もあり、気温が高い中での試合ではあったが、最後まで相手ゴールに迫力をもって迫り、後半も8本のシュートを放つが、試合はスコアレスドロー。
勝ち点1を獲得し、順位を7位とした。
[ 宮本 恒靖監督 ]
今日は大阪北部地震と九州、西日本の豪雨で被害にあわれた方に対して、われわれとして何が見せられるのかというところを選手に問いかけた中で、われわれはサッカー選手として人々に夢や希望を与えられる存在であるということを考えたときにそういうものを見せなければいけないという話はしました。そしてそれをピッチで表現するようにということで、選手も本当に気候はすごく厳しい中でしたが、立ち上がりからアグレッシブにゴールを目指してプレーをしたと思います。
そういう中で点を取り切れなかったのは残念ですが、それは個人の部分とか最後のラストパスやシュートコースの甘さだった。それは前半でしたが、後半に入って相手が少しボールを持つ時間がありましたが、なんとかゼロで抑えたというところで、勝ちにこだわった試合ということでいうと残念な結果ですが、先ほど話をしたメンタルのところをピッチ上でどう表現するのかを選手に課題を与えた中で見せてくれた選手の反応は評価してもいい。またアウェイで盛岡との試合がありますので、しっかりと結果につなげたいと思います。
[ 西野 貴治 ]
−−勝ち切れなかったものの守備陣は集中していたが?
後半は危ない時間帯も多かったのでそこで守備陣で声を出し合って守ってゼロで終われたのは良かった。
−−宮本(恒靖)監督は震災や豪雨災害の被災者に夢を与えるような試合を、と選手を鼓舞したと聞いたが?
自分自身も(大阪府)茨木市出身で実家も少し震災の影響があったし、広島などの大雨の災害の映像もテレビで見ていた。そういう中で自分たちがサッカーをできる喜びを感じていたし、ホームの人たちに良い結果を届けたいと思っていた。全員が気持ちを出して戦えたが、勝ち切れれば良かった。
[ 松田 陸 ]
前半に点を決めるチャンスがあったので、そこで決めておけばもっとラクな試合ができた。ただ後半もみんなが体を張って、無失点に抑えたのは次の試合につながると思う。
−−松田選手からも良いクロスが供給されていたが?
いつもクロスがダメなんですけれど、練習をしているのでそれを試合で出せたかなと思う。それを上位相手にもやれたのは自信になる。
[一美 和成]
前半いい形が多かったのに決めきれなかったことで後半がきつくなってしまった。いい形でゴール前までいけているし、シュート本数としては打ったんですけど、最後のアイデアのところをもっと増やしていかなければいけないと思いました。(2トップの関係も良かった)そうですね。関係性もよくなって来ていると思うので、次の試合に向けてもっと連携を高めていけばゴールを揺らせるんじゃないかと思います。彰人(高木彰人)と2トップの関係で、お互いをみながらプレーしている中で、彰人がパスコースになってくれる分、僕はボールを失わずに起点になれるのですごくやりやすいです。(試合前には大阪府北部地震と西日本豪雨で犠牲になられた方への黙祷が行われた。一美選手自身は故郷熊本地震の際にもいろんなことを考えたと思いますが、今日はどんなことを想って試合に臨みましたか?)試合が始まる前にツネさんからも勇気と希望を与えられるようなプレーをしようという話があったので、自分たちもそれを意識してプレーしたし、最後まで引き分けでしたが、走りきることができたんじゃないかなと思います。熊本地震の時も僕たちが試合で勝てば、熊本の人が喜んでくれたりしていたので、今日も自分たちのプレーで喜んでもらえる人がいるということをしっかり気持ちに据えてプレーしました。
総評
宮本監督
「今日は大阪府北部地震、西日本での豪雨の被害にあわれた方に対して、我々として何を魅せられるのか、というのを選手に問いかけた中で、我々はサッカー選手として人々に夢・希望を与えられる存在であるというところを考えたときに、それを魅せないといけないという話をしました。
選手も本当に気候は厳しい中でしたけど、立ち上がりからゴールを目指してプレーをしたと思います。
その中で点を取りきれなかったのは残念ですけど、それはやはり個人の工夫であったり、
ラストパスの精度であったり、シュートコースの甘さであったりとしたところもあったと思います。
それは前半だったんですけれど、後半に入って、相手が少しボールを持つ時間もありましたけど、
何とか0に抑えたというところで。やはり勝ちにこだわった試合にするというところでいうと、
残念な結果には間違いないですけれど、色々な、先ほど話をしたようなメンタルの部分をピッチ上でどう表現するかというところを選手に課題を与え中で、見せてくれた選手達の反応は評価していいのかなと思います。
またアウェイ盛岡での試合があるので、しっかりと結果に繋げていきたいと思います。
Q「公式戦の間隔が空いた中で、入りというところが難しかったと思いますけれど、
立ち上がりから気持ちが入った試合だったと思いますが、その評価を改めて聞かせてください。」
宮本監督
「去年からU-23を見ていますけれど、その辺に少し甘さがあったと思うんですけれど、
今年に入ってもそういったところがありましたけど、少しずつ改善されて、いい入りをしている試合もいくつかこれまでもありました。
今日に関して言うと、今まで見てきた中で一番良かったと思いますし、ゴールになっていれば、
より自信につながっていたと思います。それに繋がった一つの理由としては、
何を魅せるんだというところで、選手がそれを魅せる、というしっかりとした気持ちを持って入ってくれたことだと思います。
Q「トップチームとU-23がセパレートした形でトレーニングを行っていますが、
U-23に分けられた選手達の悔しさとか、モチベーションになっているところもありますか。」
宮本監督
「セパレートのなった週の初めに、ピッチ上ですけれど選手と少し話をして、
こういう状況だけどやるしかない、という話をしましたし、それぞれの課題であったり、長所であったりということを伝えながらそれを改善していこうという話をして、それから数週間、選手は集中力高く練習に取り組んでくれていると思いますし、もっと個の改善ということにトライしていきたいですし、ガンバのトップチームで活躍してくれる選手を数多く育成するということが我々の意義ですけれど。
去年も言いましたけど、サッカー選手として必要なスキルであったり、要素というのを数多くもたらしていけるように、そういったトレーニングをしていきたいと常々思っております。
[レビュー]課題と収穫が見えた難敵相手とのドロー。猛攻実らず、若きガンバが鹿児島に勝ちきれず
アウェイでは1対4で完敗を喫している鹿児島をホームに迎え撃った若きガンバ。
試合前、宮本監督が選手たちに飛ばしたこんな檄は確実に選手たちの胸に響いていた。
「大阪府北部地震と西日本豪雨の被害に遭われた方に対して、我々として何が見せられるのかというところを選手に問いかけた」。
サッカー選手として、ガンバの選手として見せるのはピッチでの姿勢。34度を超える暑さの中、選手たちは立ち上がりから気迫のこもった入りをピッチ上で披露する。
前節、3得点を叩き出した攻撃陣を牽引するのは試合を重ねるごとに連携が深まっている一美と��木の2トップ。
そして立ち上がり早々の6分、森のパスを受けた��木が一美にパスを送ると「今度は自分も決めたい」と意気込んでいた一美が右足を豪快に振り抜くもボールはポストに嫌われる。
立ち上がりから一気にトップギアにあげたガンバ大阪U-23は14分、山口の攻撃参加から再び決定機を作り出す。
18分にも山口のパスに対して一美と��木がゴール前に入り込み、最後は��木がフィニッシュ。「今はすごく二人の距離感がいい」と��木が手応えを口にしたように前半だけで2トップが放ったシュートは実に10本。現在11試合負け知らずの鹿児島に対して、若きガンバが主導権を握り続けた。
「前半は、いい形が多かったのに決めきれなかったことで後半がきつくなってしまった」と一美が悔やんだが、やはりいい流れの時間帯で決めきれないと試合が拮抗するのはサッカーの常だ。後半、存在感を見せたのは前半から好セーブを見せていた鈴木を中心とする守備陣だ。
「相手が1トップ気味に残してカウンターを狙っていたので野田とケアしようと話をしていた」と前半から安定感のある守備を見せ続けていた西野。
ボール保持のガンバ大阪U-23に対して縦パスやミドルシュートで攻め込んでくる鹿児島のシンプルな攻撃を守備陣がシャットアウト。コンディション的には厳しい後半の時間帯でも、ゴール前で体を投げ出したり、体を張ったりと選手たちは勝利への執念を見せつけた。
「鹿児島は簡単にゴールを割らせてくれない相手」と宮本監督が見越した通り、鹿児島もGKの負傷交代というアクシデントを感じさせない粘りを見せてきたが83分にはCKから西野が決定的なヘディングシュート。しかし鹿児島の粘りの前にゴールを奪いきれず、無念のスコアレスドローに終わった。
放ったシュートは鹿児島の13本に対して若きガンバは18本。2トップが実に11本を占め、迫力のある攻めを見せただけに「もっと連携を重ねれば次はゴールネットを揺さぶることができる」と一美も手応えを口にした。
積み上げた勝ち点は1にとどまったが、大きな収穫と確かな課題を得た鹿児島戦だった。