2018.5.6(日) 14:00〜 明治安田生命J3リーグ 第10節 沼津@万博
[プレビュー]首位を迎え撃つ若きガンバ。無敗のホームで沼津の堅守をこじ開ける

前節は苦手とするアウェイで琉球に敗れたガンバ大阪U-23が中2日の厳しい日程で沼津をホームに迎え撃つ。
沼津は現在、J3で首位を走るだけでなく、8試合でわずか3失点というリーグ最強の守備力を誇るチーム。だが、首位チームとの対戦は若きガンバの闘志に火をつけている。
「沼津は確かに堅いチームだし、個人的には去年対戦した相手でも一番強かった。だからこそ、ここで勝てればチームにとっても大きい」と意気込むのはエースの一美だ。
暫定で9位のガンバ大阪U-23だが、ホームでは3勝1分けで負け知らず。昨季王者の秋田にも快勝した実力を、リーグ首位の沼津にぶつけるだけだ。

沼津の堅守をいかにこじあけるかがポイントとなる一戦だが、勝敗の鍵を左右するポイントは先制点の有無である。
最終ラインを束ねる野田も自らの役割は自覚済み。「沼津は本当に堅いチーム。先に点を取られると、よりこじ開けるのは苦しくなる。琉球戦の反省を活かして、しっかりと我慢したい」。
中2日の連戦に加えて、キックオフの時間帯は午後2時。厳しいコンディションでのゲームとなるだけに宮本監督も「試合のインターバルも少し沼津より短いし、いかに運動量で遅れを取らないかも大事。リカバーの様子も含めて、メンバー構成を考えたい」とあくまでも勝ち切るメンバーをピッチに送り出すつもりだ。
前節はピッチに立っていない高らを含めて、総力戦で挑むことになるのが沼津戦となる。
沼津はJ3初参戦の昨季、3位に食い込んだ地力を今季も保つが、特定の個に頼ったチームではなく、直近の2試合も1対0という勝負強さを見せている。ただ、それぞれ4得点を決めている青木や畑ら確固たる得点源には細心の注意が必要となる。

3連勝を目指して乗り込んで来る沼津に対して、若きガンバが目指すのは当然ながら、勝ち点3の奪取である。勝ち切る上でやはり不可欠になるのは攻撃陣のパフォーマンス。過密日程のデーゲームだけに、攻撃のタクトを握る中盤の選手たちがいかにボールを動かせるか。「パスの精度を含めて、琉球戦以上にもっと良い攻撃を見せないとダメ」と話すのはトップデビューも飾った��江だ。
個々の顔ぶれに派手さはない沼津だが、組織的なハードワークもJ3屈指。そんな首位チームを相手に宮本監督は言う。「何とかリーグでトップを走るチームに食らいついて行きたい」。
貪欲に、そして泥臭く若きガンバがチャレンジャーとして沼津に挑む。


アライバルインタビュー
宮本監督は「沼津は守備が堅いチーム。拮抗した試合をいかにコントロール出来るかが重要」と述べていました。

ハーフタイムコメント
・プレーを正確に、判断をはやくする。
・相手の堅守のプレッシャーに負けず、強気でシュートをうとう。

2018明治安田J3 第10節 3-0 ○ 沼津@万博
前節の琉球戦から中2日とタイトな日程で臨んだ沼津戦。試合は今季初の万博記念競技場で開催された。
試合前まで今季の失点数「3」のみと堅守が売りの沼津相手に、先制点が大きなポイントとなる試合は、前半立ち上がりから前評判通りの、相手の寄せの速い守備に手を焼きなかなかシュートを打つことができず、終始沼津ペースで試合が進み0-0で折り返す。
後半からは、ハーフタイムに「プレーを正確に、判断を早く」という宮本監督の指示を受けた選手たちが、前半とは一転した攻撃サッカーを披露する。
63分に��木の2試合連続となるゴールで先制すると、続けて70分には妹尾が貴重な追加点を、そして88分には一美がダメ押しとなる今季4点目を挙げる。
守っては沖縄、札幌、大阪と大移動をして出場した谷の好セーブで無失点に切り抜け、3-0の快勝!
堅守・沼津を相手に若きガンバがたしかな攻撃力を見せつけた。

[ 宮本 恒靖監督 ]
前半から狙いとしていたサッカーができそうでできなかったというところで、それは風下だったり、ボールを奪ったときの距離感の拙さだったり、ビルドアップのときのお互いの距離プラス、相手のプレッシャーをモロに受けたことでプレーがうまく進まなかった前半だったんですけれども、そこで失点をしなかった。失点をしないようにしようというところでスタートした試合で、それがうまく後半につながったと思います。

後半は、風上になるので必ずボールをうまく動かせると選手には伝えながら、前半課題だった距離の部分、前半から狙いとしていたカウンターの部分の精度を上げていくというところをやろうと選手に伝えて、本当に良いタイミングで出ていったと思いますし、最後の精度のところ、クロスボールと入り方も良かったので点につながったと思います。3点目に関しても、一美(和成)もしっかりチャレンジする姿勢を見せてくれて、右足を振り抜いて素晴らしい得点だったと思います。本当に選手がハードワークした結果だと思います。


[ 一美 和成 ]
相手が失点の少ないチームなので点を取りたかった。前半はけっこう攻められて危ない場面も多かったけど、DF陣が無失点に抑えてくれて、後半3点取れた。ゲームの流れも良かった試合だと思う。ボールを持った時点で1対1だったのでゴールに向かうしかないと思っていたし、自分で行けて良かった。

−−前半は風の影響もあってパスミスもあったが、割り切って守るという意識だった?
前半は風の影響もあってパスミスが多かったし、カウンターのときのパスミスでまたカウンターを受けるのがキツい。ああいうミスを減らしていけばもっと連勝していける。

[ 矢島 慎也 ]
前半はけっこう相手が勢いを持って来ていて、なかなか前を向くシーンが少なかったけど、後半は相手が(運動量で)落ちてきたのか分からないけど、若干、時間ができた。自分たちが後ろで3枚気味に回すときに相手のサイドハーフが出てきて、SBがさらに出てくるのは見えていた。

−−前半は風下でリズムが上がらなかったけど、そこを我慢できたのが大きかった?
そのとおりです。前半はあまり良くなかったけど、あそこを耐えたのが大きいし、相手がシンプルに放り込んできたときとか、ガンガン前からプレスに来たときに、けっこう相手の攻撃を裏返すこととかができていた。前半は風下でキツいのは分かっていた。岡山時代の経験から、近い位置にいる選手には「我慢しよう」と伝えていた。

[谷 晃生]
待望の白星だったので…良かったです。(自分が出場して勝てていないことは重く感じていましたか?)やっぱり…ずっとありましたね。でも、自分の結果というより、自分のパフォーマンス次第だと思っていたので、ここ何試合かは結果というより自分のパフォーマンスに集中してやっていました。(それが終盤のビッグセーブにもつながった)そうですね。やっぱり我慢しきれずに失点してしまって負けているという試合が多かったので、今日はしっかり耐えてやれば、いまのガンバU-23はしっかり点が取れるので、実際に取ってくれましたし、しっかり我慢できてよかったです。(最少失点のチームで手堅さもある相手。前半はしんどい試合になりましたがそこをゼロで耐えれたことも大きなポイントでした)そうですね。前半も慌てずにしっかりやれたというところが、3−0という結果にもつながったと思います。後ろから見ていても慌てる感じもなく…いつも立ち上がりとか、後半の立ち上がりとか嫌な時間帯で失点することが多かったけど、今日はそれもなく…これまでの試合を通して僕自身も学んだことが今回の試合につながりました。

[松田 陸]
(得点シーンの一つ前に浮き玉のクロスを入れて、そのあと得点シーンではグラウンダーのクロスを入れた。そこを変化させた理由は?)ちょっとピッチの水が多くて滑っていたので…彰人くんと相手の間に速いボールをいれようかなと思ったらうまくいきました。(明確なアシストを数字でようやく残せた)やっぱり結果というのが欲しかったので、初めてアシストがついたのは良かったんですけど、これからもっとどんどんできるようになりたいし、得点もとっていけるようにもっと頑張りたい。(相手最少失点の沼津。しんどい前半を無失点で耐えられたのも大きかった)そうですね。前半しっかり耐えられて後半、攻撃陣が決めるべきところを決めてくれたので勝てたのかなって思います。前半は風が不利だったので後半は逆に生かして、っていう風に思いました。(この万博でプレーするのは初めてだったと思いますが)初めてです。水がめっちゃ撒いてあって…めちゃ滑りました。でもアシストはそこを活かせたので良かったです。

[妹尾 直哉]
クロスに対して入っていくワンタッチゴールというか…あの入っていくことは常に意識していて、ああいうゴール、1タッチでのゴールがないと得点を重ねることができないので、練習から入り方というのは意識していて、それを試合で出せて良かったです。今日は前半のしんどい時間帯を無失点で耐えられたことが一番大きかったと思いますし、ああいうサッカーを相手がしてくるのはわかっていたので、そこで耐えて、今日のような展開にもっていけたのが良かったと思います。(ここまで3失点の沼津。どうこじ開けるプランを持っていた?)サイドで2:1を作れれば…ポジショニングなどで…っていうことは前半、試合中に思ったので、サイドバックとセンターバックとボランチの左の選手と話し合いながら、言っていたので…そこまで守備が強いっていうイメージはなかったですね。(それでも最少失点の相手から3得点奪えて、ましてや無失点で締めくくれた)そうですね。そこはいい試合運びができたと思うので。ここまで怪我もあってあまりコンディションも上がりきっていなくて…前節の前の練習くらいからだんだんあがってきて、前節も途中からでしたけどそんなに悪くなかった中で迎えた今節だったので。だいぶコンディション的にはいい感じになってきたなと思っています。

総評
「前半から狙いとしていたサッカーが出来そうで出来なかったというところで、それは風下だったりボールを奪った後の距離感のまずさであったり、ビルドアップのときのお互いの距離、プラス相手のプレッシャーをもろに受けたことによって試合が上手く進まなかった前半だったんですけれど、
そこで失点をしなかった。失点はしないようにといってスタートをした試合で、それが上手く後半つながったと思います。
後半は風上になるので、必ずボールを上手く動かせると選手には伝えながら、前半の課題であった距離の部分、前半から狙いとしていたカウンターの精度を上げていく、というところをやろうと伝えて、選手は本当にいいタイミングで出て行ったと思いますし、最後の精度のところ、クロスボール、入り方も良かったので点に繋がったと思います。
3点目に関しても、一美がしっかりとチャレンジする姿勢を見せて、右足を振り抜いて素晴らしい得点だったと思います。選手がハードワークした結果だと思います。
」

Q「今期、ここまで最少失点の沼津から3ゴールを奪った攻撃力と、今おっしゃっていたみたいに、無失点に終えた守備のところでは、トップのクルピ監督がよく言う攻守のバランスをしっかり意識して戦えた試合だったとお考えですか?」

宮本監督「前半は少し重さも見られて、つまらないミスが相手にシュートまで持っていかれるシーンもありましたけど、本当にそこを我慢しようと。ビデオで見せている中でも、クロスボールであったり、こぼれ球から点を取っているシーンを見せていて、上手く立ち位置であったり球際の強さであったり、ポジショニングであったり、上げさせない、というところの対応していこうと選手はしっかりやった。0に抑えたと思います。
後半に入って、1点取れたことでのびのびと選手がプレーできたところもあると思いますし、
それによって集中力が高まって、そのいいバランスを選手達が見つけていったという印象を持っています。もちろん、3失点しかしていない相手だったので、だからこそ0で抑えないといけないという話をしていたので、後半勝負に繋げていけたと思います。
」

Q「3試合勝ち星がなかったという中での立ち上がり、まずは失点をしないということも意識の一つだったんでしょうか。」

宮本監督「琉球の試合も0で前半をおえて、後半これから、というところでぽろっと点を取られ、
5分後に、3分後にまた、という取られたとしても、今日に関しては気落ちすることなくやるんだ、という話をしましたし、そこに失点をしない、失点を未然に防ぐための手立てというか、やらなくてはいけないこととか、がんばりどころとか選手が試合が進むにつれて出来ていたと思います。
」

Q「沼津の堅守をこじ開けようという構成のなかで、矢島選手をボランチにしたのはその狙いだと思いますが、どうこじ開けようという狙いだったのか。また矢島選手からの縦のボールが結構効いていましたけれど、彼の評価をお願いします。」

宮本監督「矢島を高と組ませたのはボールを相手から奪う、という部分に対して、プラスちょっと深いところから前のパス、というところを期待していました。後半には、たくさんそういうプレーが見られたと思います。ボールを持たされるよりも、相手に持たせておいて、ちょっとカウンターで点を取りに行くというプランもあったので、前半少し上手くいかない部分もありましたけれど、
後半、ちょっとそういったバランスを選手が見つけて。前半、守から攻に切り替わるときのパスのミスがあったりしたんですけれど、そこの精度を上げようという話の中で、少し良くなっていって、若い選手なのでどんどん勢いに乗って、相手を上回る運動量が出たと思います。
矢島は色々なポジションにトライしてやっていますけれど、トップチームも含め。ボランチでやっているときのボール奪取であったり、ゲームを動かす力であったり、IQというか、サッカー感覚の良さが出るかなと改めて感じました。
」

Q「1点目、2点目は狙い通り、監督の思われていた通りの形では。」

宮本監督「うまいこと入りましたね。そういった運もふくめて、選手が良くやったと思います。」


[レビュー]リーグ最強の盾を粉砕。若きガンバが首位を撃破する

前節、琉球に悔しい負けを喫した若きガンバの意地がピッチの至る所に見て取れた沼津戦だった。
今季8試合でわずか3失点というJ3最強の「盾」を誇る沼津の堅守を粉砕。3得点を叩き込んだガンバ大阪U-23だが、歓喜のゴールショーをもたらしたのは守備陣の踏ん張りだった。
「失点をしないようにしようというところでスタートした試合で、それが上手く後半につながった」と宮本監督は試合を振り返ったが、試合後の選手たちは誰もが同じ言葉を口にした。
「前半をゼロで抑えようと割り切って戦っていた」(野田)。前半は風下でプレーしたガンバ大阪U-23に対して、ロングボールを多用し、押し込みにかかってくる沼津。中2日の連戦で、先発の7人を入れ替えコンディション的にも優位に立つ沼津が主導権を握ったのは確かだったが、若きガンバは最終ラインが弾き返し、「今日はボールを奪うよりも、ボランチでセカンドボールを拾う意識を持っていた」(高)と誰もがベクトルを重ね合わせて、苦しい時間帯をしのぎ切った。

21分に福田が負傷交代するアクシデントもあったが、スコアレスで折り返した若きガンバが後半、徐々に狙いとする攻撃を見せ始める。
ボールを回収する高に対して、ボランチのポジションで試合を作る矢島。正攻法だけでは、堅いブロックを形成する沼津をこじ開けるのは簡単ではないが、63分の先制点は矢島の戦術眼とチームが狙いとしたカウンターの精度が結実したものだった。
「一瞬の隙を突かれた」と沼津の吉田監督は悔しがったが、矢島を起点に右サイドバックの松田が絶妙の攻撃参加。「狙い通りの形ではなかったが気持ちで押し込んだ」と中央に飛び込んだ��木が2試合連続のゴールで沼津のゴールをこじ開ける。
前半とは一転して、風の影響もなくガンバ大阪U-23らしいボールポゼッションを披露。すると70分にも「こちらが3枚で回していると、相手サイドハーフが出て来て、サイドバックが更に出て来るのは見えていた」と矢島の絶妙な組み立てから右サイドを崩し切る。
一美のクロスを妹尾が合わせて2点目を奪うと、その後は沼津に付け入る隙を与えることなくゲームをコントロール。88分には相手GKのキックミスにつけこんだショートカウンターを一美が豪快に蹴り込んで、ゴールショーを完結した。

「本当に選手がハードワークした結果」(宮本監督)。中2日の日程で意地と地力を見せた若きガンバがホームで見事に首位に勝ち切った。

←戻る