2017.7.15(土) 18:00〜 明治安田生命J3リーグ
第17節 秋田@万博
[プレビュー]J3最強の敵に挑む若きガンバ。秋田の無敗記録にピリオドを打つ
前節、不運な判定もあって藤枝に1対2で惜敗したガンバ大阪U-23。
今季初の複数得点をマークした栃木戦の勢いとともに勝ち切りたかった一戦を落としたが宮本監督は「選手が成長に繋がるような試合をした」と敗戦の中にも確かな光明を見いだしている。
「自分たちはチャレンジするより、他に道はない」(宮本監督)。今節は若きガンバにとって、大きなチャレンジになる重要な戦いだ。
「首位相手だし、今どれぐらい自分たちが成長しているのかという物差しを図る上で格好の相手になる」と意気込みを口にするのは平尾だ。
万博記念競技場に迎え撃つ秋田は現在、J3で単独首位。得点数もリーグ2位で侮れない力を見せているが、最大のストロングポイントはリーグ最小タイの堅さを誇る守備力である。今季11勝4分けで唯一無敗の秋田だが、昨年11月からJ3では負け知らずで現在18戦負けなしというJ3の記録を更新中。文字通り、現段階のJ3では最強の相手に若きガンバの現在地が試されることになる。
今季初の連勝を目指しながらも競り負けた藤枝戦の反省は、チームの中で確実に共有されている。「強い相手には先に失点しないことが大事。藤枝戦みたいに先に2点を取られるとキツい」と守護神の林が言えば、平尾も「夏場は先手を取られるとしんどいので、粘り強く守りたい」と不用意な失点を課題に掲げる。今季8試合の無失点試合を記録している秋田だが、中でも1対0の勝利は既に5試合。堅守をベースにした試合巧者が相手となるだけに、まずはチーム全体で粘り強く戦いたい。
派手さはない秋田だが、前節は4対3の打ち合いを制しており、チーム得点王のFW田中だけでなく、中盤の前山らなど警戒すべき選手が揃っている。
シンガポールやタイなどで指導経験を持つ杉山監督が就任した今季、攻守両面でコレクティブなサッカーを見せている秋田は、現在16位のガンバ大阪U-23にとって高いハードルだ。だからこそ、チームの成長に手応えを感じている選手たちは、首位相手に一歩も引くつもりはない。「相手は無敗記録を持つ首位。僕らが黒星をつければ周囲の見る目も変わるだろうし、自信もつく」と高は強気な言葉を口にした。
追う展開は避けたいが、勝ち点3の奪取に向けて不可決なのは秋田の堅守をこじ開けるゴールである。「もし点を取られても、僕らFWが取り返せばいい」(一美)。
秋田の無敗記録にピリオドを打つのは若きガンバだ。
アライバルインタビュー

ハーフタイムコメント
・後半、相手は強気に出てくるので、しっかり対応しよう。
・前に行くとき、カバーし合おう。
・ハードワークで3点目、取りに行こう!!
2017明治安田J3 第17節 ○2-1 秋田@万博
17節は、ホーム初勝利を飾った万博記念競技場での開催。この試合、野田が3月から4ヶ月ぶりの出場となり、また、中原が中盤のポジションでプレーすることとなった。
1分、早々にチャンスを作られるも、林がファインセーブ。「あのシーンで自分のリズムが掴めた。」という林とDF陣で、前半PKを含める合計16本のシュートを防いだ。一美や郡も高い位置からしっかりとプレスをかけ、相手のチャンスを奪うことも数少なくない。
8分には左サイドに入った食野を起点に先制点が生まれる。郡からのパスに抜け出した一美が仕掛けてシュート。早い時間帯で先制点となった。さらに28分には追加点。郡が倒されて得たFKから一美のヘディングシュートが決まり、前半は2-0のまま終了。
前半再三のセーブしているものの、後半修正が必要と宮本監督。1-1の守備にしっかり対応し、ロングボールも競っていこうと後半送り出した。
後半も集中力の続く試合展開となった。無失点勝利も見えかけたが、75分に本日2度目のPKの判定を受ける。林が左に反応を見せたが、決められて1点を返されて2-1となった。
食野、一美、芝本を交代させ、臼井、和田、森を入れてフレッシュなメンバーで、1点をしっかりと守り、追加点を取りに最後まで集中を見せた。
追加点こそ奪えなかったものの2-1で勝利。ホーム3連勝となった。次の課題は連勝。そこに向けて、U-23の挑戦は続く。
[ 宮本 恒靖監督 ]
守備が重要になるかなと思っていた試合で、特に前線からの守備が勝つにあたっての非常に重要なファクターでした。無敗の首位を相手にして、17節を迎えて自分たちが半年間やってきたことを、その成長の証を自分たちで見せていこうというような話をミーティングでして、そういった選手の頑張りも前半はありました。ただ、守備の部分で1対1の寄せの部分が少し甘かったり、チャレンジアンドカバーが甘くなっていたので、たくさんのシュートチャンスは作られていた前半でした。
後半入るにあたって、守備の質を上げないといけないという話はしましたし、それによって後ろのラインコントロールもちょっとずつ良くなっていった。それは時間が進むにつれて、野田(裕喜)がフィットしていったのもあると思いますし、そういう中でうまく2−0で、もしくは3点目を取ってというところがありましたけど、2−1に残念ながらなってしまった。あとはなんとか選手が頑張って逃げ切ったのかなと思います。でも選手の与えられた役割をやり切るとか、気持ちの強さであったり、単純にフィジカルの部分の伸びというのもあると思いますし、そういうものが確認できた第17節だったかなと思います。でも大事なのは次、勝つことなので、連勝というものを目指したいと思います。
[ 野田 裕喜 ]
今日は絶対に出場するつもりでやっていた。練習時間は短かったけど、中身が濃い練習が出来ていたので問題なかった。
−−野田選手が出場していた当時は4バックだったが、3バックでプレーする際、何に一番気をつけた?
3バックの真ん中なので、攻撃のときはもっと僕や高(宇洋)あたりがボールを持って主導権を取れれば良かったが、そこは課題として残った。守備に関しても後半のキツい時間帯にラインコントロールだけはしっかりしようと思っていた。3バックの真ん中でプレーして、そこをより意識するようにした。
[ 一美 和成 ]
2点取れて試合に勝てたのが一番うれしい。相手の守備をこじ開けたが、前半に2点取れたのがチーム的にラクになったのでうれしかった。
−−個人としても今季初の複数得点だったが?
そうですね、これをこれからも続けていきたい。2トップでいい関係性ができてきているのもいいことだし、これを続けていければと思う。
[林 瑞輝]
(立ち上がりのシーンを止めたことで自分自身も勢いに乗れたところもあったんじゃないですか?)僕自身もそう思っています。あの1本が大きかったなっていうのは試合中も思っていました。ただ、開始早々俺のところまでボールが来るのはチームとしてあってはならないことですが、自分も今年J3を戦ってきた中で、ああいうのも想定して試合にのぞめているので、あれを…どんな試合でもああいうのを止めていけるように、あの時間で失点したら苦しいっていうのはわかっているだけに次の試合でも、ああいうのは気をつけて、チームのみんなにもしっかり伝えてやりたいと思っています。(PKは相手のコースも少し甘くきた)あれは…僕が良かったというより相手のコースが少し甘かったので、僕自身はよっしゃっていう気持ちは思ったよりは少なかったですね。でも壮が与えたファウルで…あそこを止めてあげないと壮も苦しくなるだろうなっていうのがあって。彼は同期っていうのもあるし…そういう思いもあって絶対に止めてやろうと思って止めれたのでそれはほっとしました。今日はフィールドの選手がかなり…ここ最近はそうですけど、前線の選手がかなり守備をしてくれているので、僕はピンチが多い中でも止めてやるっていう気持ちにもなるので。それが今日も勝ちにつながって良かった。(2点目も反応はしたけどコースを突かれた)そうですね。一応コースは読めたんですが、相手のキックがうまかったと感じました。(今シーズン、松代くんとやってきて、自分の一番の変化はどこに感じますか?)松代さんもそうなんですが、宮本監督もビルドアップに参加するようにということを言われていて、GKの部分は去年から継続しているものがあるんですが、攻撃の部分で、自分としてはこの体格だけに何か武器になるものを、と思っていて、チームとして僕をうまく使ってくれている感じがするのでありがたいです。そういう攻撃の部分で少し今年は貢献できているのが大きいかなと思います。
総評
宮本監督「守備が重要になるかなと思っていた試合で、特に前線からの守備が勝つにあたっての非常に重要なファクターでした。無敗の首位を相手にして17節を迎えて自分たちが半年間やってきたことを、その成長の証を自分たちで見せていこうという話をミーティングでして、そういった選手の頑張りも前半はありました。ただ、守備の部分で1対1の寄せの部分が少し甘かったり、チャレンジアンドカバーが甘くなっていたので、たくさんのシュートチャンスは作られていた前半でした。後半入るにあたって、守備の質を上げないといけないという話はしましたし、それによって後ろのラインコントロールもちょっとずつ良くなっていった。それは時間が進むにつれて、野田がフィットしていったのもあると思いますし、そういう中で上手く2-0で、もしくは3点目を取ってというところがありましたけど、2-1に残念ながらなってしまった。あとは何とか選手が頑張って逃げ切ったのかなというふうに思います。でも選手の与えられた役割をやりきるとか、気持ちの強さであったり、単純にフィジカルの部分の伸びというのもあると思いますし、そういうものが確認できた第17節だったかなと思います。でも大事なのは次、勝つ事なので、連勝というものを目指したいと思います。」
Q「試合を分けたポイントの一つに、前半の1-0の時点での林選手がPKを止めたのもひとつだったのかなと思います。それ以外でも好セーブが見られたが彼のパフォーマンスについての評価を聞かせてください。」
宮本監督「すごく大柄な選手ではないですけど、飛んで来たボールを確実に弾く、キャッチするというところの判断の精度が上がっていると思いますし、練習から色々な取り組みをしている中で、シーズンがスタートした開幕の頃は外科的な問題でメンバーに絡めなかったりしましたが、本当に今、すごく存在感がありますし、それとやっぱり主要なポジション、センターラインにそういった質の高いパフォーマンスが揃ってくるとチームの成績にもつながると思いますし、今日はそういうセービングの部分でしたけど、攻撃の部分でビルドアップへの関わりにもレベルアップを感じますし、今シーズンもっともっと伸びてもらいたい選手ですね。」
Q「1点目の場面も2トップの関係性で、いいところで2人が絡んでのゴールでしたが守備面だけでなく、攻撃でも関係性が良くなってきているように思いますがその評価と、中原選手が中盤にいることで2-0の時間帯にはガンバらしく試合をコントロールする時間帯もありましたが、そこへの評価も聞かせてください。」
宮本監督「2トップは、北九州の試合から数えて何試合目ですかね。結構な数になってきましたから、お互いがそれまでは目を合わせながらプレーすることがなかったんですけど、今日の試合では本当にお互いを見ながら阿吽の呼吸でプレーできてるところもありましたし、ヘディングの競り合いで相手を背負ってという部分も改善が見られます。一美は今日、本当に最初から飛ばしていけよという話はしましたし、それは前節、あまり立ちあがりが良くなかったので、そういうところで発奮した部分があって、2点につながったと思います。欲を言えば3点目を取るチャンスが後半あったので、そこを決め切る力がつけばさらに良くなると思います。でも、いい試合はしたと思いますし、今後も大夢との関係を高めていってもらいたい。先週の水曜日ですかね、2人だけを呼んで練習もしましたし、そういったところもお互いが活かせているのかなと思います。彰吾に関しては攻撃に移る際のボールロストを減らすという意味でもそこに起用しました。体力面で後ろをやるのと、ああいったプレスを何回も繰り返すのは違いがあると思っていたので1試合持たないかなと思いましたが、そこは上手く頭を使いながらやってくれたかなと思います。野田が帰ってきて亮太郎もきて、いろんな意味で競争ができるので、チームの中でそれは各個人の成長にもつながっていくかなと思います。」
Q「選手が成長しているとおっしゃっていましたが、今日の試合で感じた部分と、今日の試合で起用された野田選手と食野選手についてはどうでしょうか?」
宮本監督「チームとして開幕した頃は戦えていなかったり、試合の流れ、試合のどこが危ないのかとかここがチャンスということと嗅ぎ分ける力がまだまだなかったんですけど、今はその意識の部分でここは体を張らないといけない、ここは二度追いして頑張らなければいけないとか、プロとして求められるものに対して応えなければいけない、応えるんだという意志の強さは全員が強くなってきていると思います。もちろんボールを止める、運ぶ、蹴るとかいったところも強くなってきています。後はヘディングが特に中盤で成長していると思いますね。競り合いの部分であったり、それをパスにするとか。野田ですね。野田は実質水曜日の午後から合流したんですけど、今までこのチームでやってきたやり方を説明しながら守備の練習と戦術練習をして。理解力も高いですし、試合の後半どんどん時間が進むにつれて良くなったと思います。でももっともっと、求めていきたいとは思います。亮太郎は去年から一緒にやっていますし、もっと状況判断を良くしてもらいたいと思いますし、相手をかわす良さ、前半の立ち上がりなんかは相手の陣内の深いところでのカットインとかシュートまで行く、クロスを上げるとかいう動きがあったので、それをたくさん試合の中で見せてもらいたいなと思うので、上手くそれは整理してあげたいと思います。」
[レビュー]噛み合った攻守の歯車。秋田の堅守をこじ開け、若きガンバが首位に勝ち切る
「自分たちが半年間やってきたことを、その成長の証を自分たちで見せて行こう」。宮本監督にこんな檄を飛ばされた若武者たちは、開幕から少しずつ積み上げて来た成長ぶりを万博記念競技場で体現してみせた。
シュート数ではガンバ大阪U-23の6本に対して、秋田は20本。しかし、首位を走る秋田に対して2対1で勝ち切ったのは、チームの確かな成長を示すものだった。
「守備が重要になるかなと思っていた試合」と宮本監督が振り返った首位との大一番で、30秒足らずで決定機を献上。課題だった試合の入りに付け込まれたガンバ大阪U-23だが林が冷静に好セーブし、チームを救う。
「開始早々、僕にシュートが飛んで来るのはあってはいけないこと。でも、そういう可能性もあると準備は出来ていた」(林)。開幕当初は、淡白な失点やイージーなミスからゴールを割られることも珍しくなかった若きガンバだが、勝負どころでの勘所をつかめるようになったのも成長の一つ。
8分には2トップのコンビネーションから一美が先制点を叩き出し、ガンバ大阪U-23が首位相手に先制する。
3バックの中央には野田が起用され、連携面でややスムーズさを欠いた時間帯に平尾がPKを献上。あわや同点という危機を迎えるも27分のPKを林が完璧にストップし、試合の流れを引き戻す。
「決めるべきところを決められなくて、そして相手にはチャンスをしっかりと決められた」と敵将の杉山監督はシュート16本を放った前半の展開を悔やんだが、守備陣の踏ん張りに再び、一美が応えた。
林のPKストップからわずか1分後の28分、芝本のFKを一美が頭で合わせて2対0。
「開幕した頃は戦えていなかったり、試合の流れ、試合のどこが危ないのかとかここがチャンスということと嗅ぎ分ける力がまだまだ、なかった」(宮本監督)。
守るべき時間帯に踏ん張り、決めるべきチャンスをモノにするーー。シーズン序盤の悔しさは、チーム全体で確かに共有されていた。
ハーフタイムに前線からの守備を再確認した若きガンバは本職の中盤で起用された中原が芝本らとゲームをコントロールする。首位の秋田相手に優位に試合を運ぶものの75分、嫁阪のハンドで与えたこの日2回目のPKを蹴り込まれた。
前線からの組織立ったプレスに手こずり、終盤はパワープレーで対応する秋田。しかし、後半からは見事にDFラインを統率した野田らが体を張り続け、5分間のアディショナルタイムも耐え抜いたガンバ大阪U-23が18試合負け知らずだった秋田のJ3無敗記録にピリオドを打ってみせた。
したたかさと逞しさで首位を撃破。若きガンバの底力を示した秋田戦だった。