2017.7.2(日) 18:00〜 明治安田生命J3リーグ
第15節 栃木@吹田S
[プレビュー]吹田スタジアムでの初勝利に燃える若きガンバ。難敵栃木に攻め切る姿勢を見せつけたい
前節、PK献上やペの退場処分による数的不利もあって、富山に0対2で敗れたガンバ大阪U-23。今季初の連勝は逃したが、選手たちに一喜一憂はない。
「僕たちは常にチャレンジャーの立場にあることは変わらない。勝っても負けても、次の試合で勝利を求める姿勢に変わりはない」と力強く言い切るのは前節は出場停止だった平尾だ。
結果的に0対2で敗れたものの、10人で後半の大部分を戦い抜いた富山戦は選手たちの確かな成長を物語る一戦だった。
「1人少ない状況で互角に戦える時間があったのは手応えになる」と最後尾を託される中原はチームの反発力を口にしたが、富山戦の後半に見せた縦への迫力を勝ち点3に結びつけるべき舞台が今節の栃木戦である。
「3バックになってから攻守でハマって来ている。ただ、良い内容を見せても勝たないと意味がない」。今季3度目の勝ち点3への意欲を口にするのはルーキーの高だ。開幕直後とは異なり、前半早々に失点したり、守備組織が完全に崩し切られたりする課題を克服しつつある若きガンバだが、栃木戦で問われるのはやはり、出場停止のペを欠く守備陣の踏ん張りとなる。
「次の栃木も上位。上のチームと対戦する時には、先に失点しないことがより重要になる」(中原)。チームコンセプトに変わりはないが、ペが不在の最終ラインへのテコ入れを余儀なくされる栃木戦だけに、まずはチーム全体で安定した守備を披露したい。
昨季は1勝1敗に終わっているが、今季の栃木は暫定ながら4位をキープ。自動昇格圏となる2位の富山を勝ち点3差で追う状況だけに、3連勝を目指して市立吹田サッカースタジアムに乗り込んで来るはずだ。
昨季までガンバでプレーした岡崎もボランチでフィット。前節は鹿児島相手に先制点も決めている岡崎に自由を与えないことも若きガンバにとってのミッションになる。
「相手の守備は堅いし、前線に一人で突破出来る選手が2、3人いる」と攻守両面で強い個を持つ栃木への警戒心を隠さない宮本監督だが、同時に勝利への道筋も脳裏にはイメージ済みだ。
「中盤に空くスペースがあるので、そこを上手く使いながら前を向きたい」(宮本監督)。
富山戦の後半に見せた鋭い攻守の切り替えからショートカウンターで攻め込めば、栃木の堅守は崩れるはず。
今季まだ手にしていない市立吹田サッカースタジアムでの勝利もモチベーションになる栃木戦。難敵ではあるが、「上位に勝って流れをつかんでいきたい」(高)戦いだ。
アライバルインタビュー

「前線にいい選手がいて、苦しい展開になるだろうが、しっかりやっていきたい」
ハーフタイムコメント
・点は取られたが大丈夫。顔を上げていこう。
・攻撃はうまく動かしながら、崩せるところを探そう。
・丁寧に繋ごう。
・信じて最後まで走りきろう。
2017明治安田J3 第15節 ○3-2栃木@吹田S
上位の栃木を吹田スタジアムに迎え、万博に続くホームでの2勝目を上げたいところ。また相手には岡崎建哉選手が所属し、共にプレーした選手も多く一層の力が入る。
しかし、前半はボールが収まらず、一進一退の攻防が続く。後ろでボールを回せてはいるものの、前線までボールが運べない。28分には残念な形での失点と宮本監督も言うように集中力を欠いた瞬間に取られた先制点。追いかける展開の中、思うようにゲームを運べず、前半をビハインドで折り返した。
50分、「顔を上げていこう。妹尾がスペースに出るような動きをしていこう。」というハーフタイムの指示に、妹尾が応える。ドリブルで敵陣から持ち込んで打った、狙い澄まされたシュートが決まって同点に。そこから流れはこちらへ傾き、同点弾からの7分後には再び妹尾。クロスから相手選手がディフェンスをしてこぼれたボールに、しっかりと詰めて逆転。さらにはその4分後、一美が中央から左サイドに展開したボールを受けた妹尾が中央ピンポイントで一美の頭に合わせる。一美がしっかりと決めて引き離した。
その後、続くピンチにファインセーブを見せた林。相手選手の肘が口元に入り、しばらく倒れこむアクシデントもあったが立ち上がり、その後もセーブを重ねた。
アディショナルタイムは9分。湿気も多く暑い中、選手は防戦に耐えるが、90分+5に1点を返されて3−2。しかし、最後まで集中力を切らさずに素晴らしいパフォーマンスをし、全員で走り切って吹田スタジアム初勝利。
ひとつ順位も上げ、続いての目標は連勝。課題をクリアしながら、これからも勝利に向けて戦い続ける。
[ 宮本 恒靖監督 ]
前半、入りも悪くなく、15分、20分と自分たちが狙いとするサッカーをしていた中でちょっと、残念な形というかちょっと集中力が切れた瞬間に失点してしまった前半だったんですけど、全然取り返すことができるというようなことを伝えたハーフタイムでした。選手たちがしっかりと気持ちを奮い立たせて点を取りに行くというところが出た後半の立ち上がりで、しかもちょっとラッキーな形で裏にボールが出るというところから、妹尾(直哉)が得意な形になって、点を取った。そしてその後、みんなの重荷が取れて、どんどんゴールに向かっていったという結果が3点につながったと思っています。いろんなアクシデントがあった中で、(林)瑞輝もケガを抱えながら、最後まで集中を切らさずに素晴らしいパフォーマンスをして、全員が戦うというところ、試合前に確認していたことなんですけど、それができていたことが勝利につながったんじゃないかなと感じています。
−−今季、なかなかなかった複数得点と、逆転勝ちなど今までできていなかったことを強豪の栃木相手にできたということで、今後に弾みがつくような試合だと思うが?
こういう結果につながるというところで、間違いなく選手の自信につながりますし、点を取られていたら、今までなら何となく「また今日も勝てないか」という雰囲気がありましたけど、今日に関してはピッチ上からそういうものは感じなかったし、ただ連勝というのがまだない中で、それをしていかないとこれからはいけないと選手には伝えました。
[ 妹尾 直哉 ]
−−2得点を振り返ってください。
1点目のカットインからの得点は、前の試合で相手に当ててしまっていたので、相手DF
を外してから速くシュートを打とうと思っていたが、それが良かった。2点目は良いところにこぼれ球が来たのでそれを蹴り込むだけだった。1点目はニアを狙っていたし、ニアは速いシュートを打てばGKも反応しにくいと思っていた。
−−今季複数得点がなかったチームに勢いをもたらしたが?
試合前に監督から「今日は複数得点をしよう」と言われていた。1点取っただけで攻撃をやめてしまうのではなく、2、3点取りに行く意識があったから3得点につながったと思う。
[ 一美 和成 ]
ホームで2勝目ができて心からうれしい。連勝できるように頑張りたい。
−−貴重な3点目を一美選手が決めたが?
ニアに入って、(妹尾)直哉くんから触るだけのボールが来たので、直哉くんに感謝するだけです。前半は失点したけど、悪くない試合をしていたので、これを続けていけと監督からも言われていたし、それを続けて3点が入ったので良かったです。
−−今季初ゴールだったが?
チームになかなか貢献できていなかったぶん、こういう形で勝利に貢献できたので良かった。
[平尾 壮]
(今週ずっとセンターバックの右で?)はい、そうです。攻撃的なところは消さずに、また、サイドバックなら自分の右側を気にしなくていいんですけど、今日は違ったのでそこは気にしながらプレーしていました。あと1つ下がったのでボールを持った時のリスクがあがるので、そこも意識していたところの1つです。(3人とも本職じゃない中で、チームとして失点を減らすためにボールを持つ時間を長くするとか、攻撃にかかる時間を、とかっていうのは考えた?)そういうのもありましたし、俺が5バックの右やっているときから守備は…前からはめるところははめていこう、と言っていた。ここ最近、いい守備ができていたからそれは続けようと話していたし、僕自身も、コーチングとかでできる限りトライをしようと思いながらプレーしていました。(チームとしては失点しても勢いは落とさず、組織としてプレーできる時間も増えてきたのでは?)そうですね。前半失点する前もいい形でゴールに迫っている場面もありましたし、やっていて自分たちでも成長を感じられているところもある。球際だったり、そういう部分で負けることも少なくなってきたとは思います。ただもっと出来ると思うので、そこは上の選手がもっと引っ張ってやっていきたいと思う。
総評
宮本監督「前半入りも悪くなく、15分、20分と自分たちが狙いとするサッカーをしていた中で、ちょっと、残念な形というか、ちょっと集中力が切れた瞬間に失点してしまった前半だったんですけど、全然、取り返すことができるというようなことを伝えたハーフタイムでした。選手も顔を上げて、じゃあ具体的に何をしようかというところで、妹尾がもっとスペースに出るような動きをしていこうとか、ラインの上げ下げというか相手のロングボールからの攻撃というのはケアしないといけないポイントだったので、そこをしっかりと集中してやるとか、その点が選手たちがしっかりと気持ちを奮い立たせて点を取りに行くというところに出た後半の立ち上がりで、しかもちょっとラッキーな形で裏にボールが出るというところから、妹尾が得意な形になって点を取った。そしてその後、みんなの重荷が取れてどんどんゴールに向かっていったという結果が3点につながったと思っています。色んなアクシデントがあった中で、瑞輝も怪我を抱えながら最後まで集中を切らさずに素晴らしいパフォーマンスをして、全員が戦うというところ、試合前に確認していたことなんですけど、それができていたことが勝利につながったんじゃないかなと感じています。」
Q「今季、なかなかなかった複数得点と、逆転勝ちとか今までできていなかったことをやったうえで、強豪の栃木に逆転勝ちできたということで、今後に弾みがつくような試合だと思いますが、監督はどのようにお考えでしょうか。」
宮本監督「フィジカルが強い相手だったり、個の強さを持っている相手に、じゃあどのように戦うのかと少し戦術的な練習が多かったんですけど、そういったものに対しても選手がいい反応を見せてくれましたし、何よりコンディションの良さも目立って、ボールを奪ってから出て行くとか何度もプレッシングをかけるというところのハードワークの部分の良さが目立った。それが試合のこういう結果につながるというところで、間違いなく選手の自信につながりますし、点を取られていたら、今までなら何となくまた今日も勝てないか、という雰囲気がありましたけど、今日に関してはピッチ上からそういうものは感じなかったですし。ただ、連勝というのがまだない中で、それをしていかないとこれからはいけないと選手には伝えました。」
Q「CBが今日はペ・スヨン選手が出場停止で3人ともに結果的に本職でない選手が入った形になりましたが、守備に対してのどうだったかというのと、率直に最下位を抜け出したことについてはどうでしょうか。」
宮本監督「順位に関しては、もちろん一番下にいるのは気分がいいものではないですけど、そこに関しては、もっともっとこの先勝っていくつもりでいますし、シーズン終了後にそういうのものが見えてくると思っています。守備に関しては少しずつ良くなっているのがラインコントロールの部分であったり、壮が入ってもそこの適性はあると思っていましたし、後はいかに翼であったり、妹尾のポジションの選手を生かすのかとか、��江のポジション、蓮のポジションの選手がどれぐらいプレッシャーに行けるのか、もちろん、前線もそうなんですけど、そこの連動性と迫力さえあれば、今日のようなゲームはできるんじゃないかという予測はありました。実際、選手はそれをしっかりと遂行してやったと。ちょっと前節の反省から、後ろが重たくなったので前節は、それをやりたくないということでどんどん前から行こうということは言いましたね。それと後はラインの上げ下げというところでの連動性が生まれてきているので、今日はちょっとスリッピーなグラウンドが幸いしたところもありますし、それは続けていきたいですね。」
[レビュー]吹田スタジアムに訪れた歓喜の時。ガンバ大阪U-23が今季初の逆転で勝利を手に
野心に燃えた若きチャレンジャーたちの踏ん張りが、市立吹田サッカースタジアムに待望の歓喜をもたらした。
前節、富山に敗れたものの「やっているサッカーに間違いはない」(高)と手応えを感じ取っていたガンバ大阪U-23にとって、その成長ぶりの真価が問われたのが暫定ながら4位につける好調、栃木との一戦だった。「選手たちも吹田スタジアムでとにかく勝ちたいと感じている」。宮本監督の言葉に嘘はなかった。ペを出場停止で欠くガンバ大阪U-23は平尾が3バックの一角でプレー。急造のDFラインだったが課題だった試合の入りで成長の跡を見せ、最初にビッグチャンスをつかみとる。
15分、平尾の思い切りよいミドルのこぼれ球に飛び込んだ芝本が左ポストをわずかにかすめるシュートを放つも、28分、栃木にカウンターから先制点を献上する。今季、先手を取られた試合は10戦10敗。しかし、宮本監督は選手たちの強い意志をピッチサイドで感じ取っていた。「今までなら何となく、また今日も勝てないか、という雰囲気があったが、今日に関してはピッチ上からそういうものは感じなかった」。勝利に飢えた若きガンバが後半見せたのは指揮官が戦前に求めた「前に向かう姿勢」だった。
50分、嫁阪のフィードを受けた妹尾が得意のカットインから右足を振り抜き、同点弾を叩き込む。「そのショックがチーム全体に少しあった」と敵将の横山監督がターニングポイントに掲げた妹尾の一撃に勇気づけられたガンバ大阪U-23にとって、その成長が試される残り時間だった。
過去13試合で一度も果たせていない複数得点と逆転勝利ーー。57分には嫁阪の仕掛けから生まれたこぼれ球を妹尾が豪快に蹴り込んで勝ち越しに成功するも、チームの勢いは止まらない。「2点、3点と取りに行く意識があったから3得点につながった」(妹尾)。61分には妹尾のピンポイントクロスを一美が豪快に頭で叩き込み、ガンバ大阪U-23がわずか10分あまりで3得点のゴールラッシュで試合の流れを完全につかみ取った。
2点のリードを得た若きガンバだったが、勝利に向けて試されたのはチーム全体の意思だ。攻撃へのテコ入れを図った栃木に対して、守勢に回った若きガンバだったが前半から再三、ビッグセーブを見せていた林を中心に守備陣が奮闘。林の負傷もあって9分間与えられたアディショナルタイムには2失点目を許したものの、ピッチの至る所で選手たちが体を投げ出したり、球際で粘りを見せたりと執念でリードを守り切った。
難敵栃木相手に見せた勝ち切るサッカーの体現。「間違いなく自信になる」と指揮官も手応えを口にした今季初の逆転勝利でガンバ大阪U-23は市立吹田サッカースタジアムでの初勝利を飾った。