2017.5.28(日) 14:00〜 明治安田生命J3リーグ 第10節 C大23@吹田S
[プレビュー]若きガンバが挑む大阪ダービー。今季もガンバの力を見せつけたい

大阪ダービー。この言葉が持つ意味はトップからアカデミーまで共通だ。「絶対に負けられないとアカデミー時代から教え込まれて来た」と話すのは妹尾である。ともに「大阪」をクラブ名に抱くセレッソ大阪との対戦はガンバにとって絶対に負けられない一戦だ。昨季からJ3の舞台でも行なわれて来た大阪ダービーだが、ガンバ大阪U-23にとって意地を見せつける舞台となるのが今節のセレッソ大阪U-23との対戦である。

前節、ミス絡みで失点を重ね、0対4のスコアで沼津に完敗。最下位の17位から抜け出し切れていないガンバ大阪U-23だが、だからこそ、今回の大阪ダービーはより一層大きな意味を持つことになる。「僕らは連敗している一方で、相手は調子が上がってる感じだけど絶対に負けられない」(妹尾)。セレッソ大阪U-23は直近の3試合で2勝1分け。1試合消化が少ないガンバ大阪U-23を勝ち点で6上回る14位につけているライバルチームではあるが、ガンバの名にかけて後れをとることは許されないことを指揮官と選手の誰もが自覚する。
 
沼津戦では今季ワーストの4失点を喫したガンバ大阪U-23だが「セットプレーと自分たちのミス、そしてラインコントロールを間違ったりと全てがもったいない失点だった」と平尾は自滅気味に喫した4失点に悔しさを隠さない。セレッソ大阪U-23は、前節、ボールポゼッションで勝る鳥取の隙を付き、3対1で勝ち切っているが、前線からのアグレッシブなプレスを軸にカウンターを仕掛けてくるスタイルだ。前節、痛恨の2失点目につながるミスをした中原も「最後尾でリズムを作りたいけど、同じミスはしてはいけない」と自戒する。
 
連敗脱出に向けて、不用意なミスは禁物のガンバ大阪U-23ではあるが、宿敵相手に勝ち切る上で不可決になるのが「ガンバらしさ」を出すことでもある。昨季、J3では2勝した若きガンバだが、いずれもスコアは2対1の僅差。それでも、ボールポゼッションに勝るガンバ大阪U-23のスタイルは随所で見せつけた。沼津戦では無得点に終わったものの「ゴール前までボールは運べている。後はそこからの崩しの質を大事にしたい」と話すのはキャプテンの森だ。

「ここで勝つ事でチームに自信もつく」。大阪ダービーの意味を誰よりも知る宮本監督も静かな言葉の中に、プロ監督として挑む初めての大阪ダービーへの強い決意をにじませる。

アカデミー年代から、自ずと球際が激しくなったり、お互いが熱くなったりする大阪ダービー。J3の舞台でも「大阪の盟主」の座は譲らない。


【G大23 vs C大23】 ウォーミングアップコラム:宮本恒靖監督がプロ監督として初めて挑む『大阪ダービー』。

2017年5月27日(土)

遡ること20年以上前。宮本恒靖U-23監督が選手としてユースチームでプレーしていた92〜94年当時から、ユースチーム監督だった上野山信行氏には『大阪ダービー』の重要性を説かれていたという。氏は海外の『ダービーマッチ』などを例に挙げながら、そこで勝つ意味を繰り返し、選手のライバル心をかきたてた。
「上野山さんには常々、ダービーの歴史を紐解くような話をしてもらっていたこともあり、ユース時代から『大阪ダービー』は絶対に負けたくないという気持ちが自然と強くなるカードでした」。

その宮本がトップチームに昇格した95年。トップチームでもセレッソ大阪のJリーグ加盟とともに『大阪ダービー』の歴史が始まったが、アカデミーからの流れもあったからだろう。今となっては考えられない、一万人にも満たない観客しか集まらない状況下での試合でも、宮本にとっての『大阪ダービー』は常に特別な一戦だったという。
「セレッソ大阪が昇格してきたことで、それまでガンバが多くを占めていた新聞のサッカー面でもセレッソが取り上げられるようになりましたからね。そういうのを見て負けられないと思ったし、96年の対戦では同級生の西澤明訓が出場したりもして、ライバル心に刺激を受ける要素も多かったので、いつの時代も否が応でも意識する、特別なカードでした」。

そうして選手時代から戦ってきた大阪ダービーを、今年はプロの監督として迎える。アカデミーの指導者時代にもすでに何度か『大阪ダービー』を経験してきたが、プロチームの監督として臨む初の一戦はやはり特別なのだろう。いい高揚感を胸に試合を迎えることになりそうだ。
「正直、プロの監督として戦うのは初めてなので、どんな気持ちになるかわからないところもありますが、アマチュアとは間違いなく違うものだということは想像できます。また、昨年のU-23の大阪ダービーを振り返っても、ホーム戦には約8000人ものファンの皆さんが集まってくれましたからね。たとえカテゴリーがJ3リーグでも、やはりガンバファンの皆さんにとっての『大阪ダービー』は特別なものだと思うからこそ、素直に勝ちたいです(宮本)」

4月16日にトップチームがアウェイでの『大阪ダービー』を戦った際の観客数は42,438人。その数字が示す通り、セレッソ大阪のJ1復帰で3年ぶりに実現した『大阪ダービー』はスタジアム中が大きな熱に包まれた。結果的に、ガンバの先制ゴールで幕を開けたこの一戦は2?2の引き分けに終わったが、そこに漂う特別な空気、サポーターの高揚感はU-23チームの選手も感じ取ったことだろう。
それを今日の一戦にいい緊張感としてつなげながら『ガンバ大阪』のプライドを炸裂させられるか。昨年から始まったJ3リーグの『大阪ダービー』の歴史では2戦2勝のガンバ大阪U-23が、ホーム・市立吹田サッカースタジアムで今季初の『大阪ダービー』に挑む。


アライバルインタビュー

「前回の敗戦後から1週間ら簡単なミスをしないなど調整してきた。(大阪ダービーということで)負けてはいけない相手。選手もそれを感じながら勝ちにいく。」

ハーフタイムコメント
・今日のようなダービーを勝つにはリラックスすることが必要。
・自分の持っている力を出す。少しのところ、相手を上回ることができるか。そういうことができるか試されている。
・前半もよかったが、それ以上の力を出していこう!!

明治安田J3 第10節△0-0C大23@吹田S
U-23の大阪ダービー。宮本監督も「負けてはいけない相手。選手もそれを感じながら勝ちにいく。」と話したとおり、何が何でも勝利を掴み取りたい1戦。
そしてこの日、金、パトリックがOAとして出場、呉屋と食野もスターティングメンバーに名を連ねた。
ガンバのキックオフで始まった試合。序盤、拮抗した試合が続く。
12分、金から縦に通ったパスを左サイド嫁阪がクロス。妹尾がダイレクトで合わせたが、揺れたのはサイドネットだった。直後の14分、与えたFK、壁を越えてニアサイドの際どい位置に飛んだボールを林が右手1本のファインセーブで守った。
金、呉屋、パトリックが入ることで、試合の起点が増える。試合後に妹尾が語ったように、これらの選手が入ることでボールに触れるチャンスも増え、妹尾は今日4本のシュートを放った。
序々にボールを持つ時間が増え、フィニッシュまで持ち込む回数が増えるが得点を奪うことができず、前半を0-0で折り返した。
後半開始から岩本をパトリックに代えて投入。
「自分の持っている力を出す。少しのところ、相手を上回ることができるかが大切で、試されている。前半よかったが、それ以上の力を出していこう!」と宮本監督が選手を鼓舞し、後半は前半以上にゲームをコントロールするものの、1点は遠い。
62分、右サイドからゴール前をスルーしたボールが食野の足元に転がり、フリーでシュートを放つもポストを直撃する。金も攻撃に参加。CKのボールを頭で狙うも得点には至らない。
83分には、妹尾に代えて森を投入。ピッチ内を走り、ボールを前線に運ぶも、試合終了を告げる笛が響き渡った。
合計18本のシュートを放ったが得点を奪えず、トップチームの2-2に続く引き分けで終了した。

[ 宮本 恒靖監督 ]
ダービーということで、選手には「勝利を目指して戦おう」ということでスタートしました。ゴールに向かう勢いとか人数とか、後半に関しても特にあったと思いますし、選手のそういった勝ちに向かう姿勢に関しては評価できると思いますけど、ゼロ点に終わってしまったので、引き分けという点では課題が残るというか、残念に思います。

−−“大阪ダービー”ということで2,000人以上の観客が入りましたが、そういった雰囲気の中でできたことについてお聞かせください。
選手には、「アップ中にたくさんの声援を送ってくれたファンの存在がちゃんと意識できているか」という話は試合が始まる前に言いましたし、そういった中で「喜んでもらおう」というところでスタートしました。お客さん、ファンの人たちもいつも以上にダービーということで勝ちたいという気持ちを持って応援してくれているのは重々感じましたし、それは選手にも伝わって、最後まで走り切ることだったり、足を伸ばし切るというところは効果として表れていたというふうに思います。

−−今日はイレギュラーな形だったと思いますが、オーバーエイジ枠でパトリック選手らを起用されました。オーバーエイジ枠についての良かった点と悪かった点を教えてください。
良かった点は、彼らの選手自身が持つこの力の大きさがピッチ上に表れていたと思います。例えば、前線でボールを収めるとか、ボールをしっかりと追い掛けるということがあったと思いますし、守備に関しても(金)正也が入ることで安定感があったと思います。他にも一緒にプレーすることで学べることがたくさんあって、前日練習から合流しましたけど、そこでも存在によって選手が学べているシーンもいくつか垣間見えたので、それがメリットだと思います。

デメリットという言い方はあまりふさわしくないのですが、もちろん、それによって今後どうなるかは分からないですけど、今まで試合に出られていたけれど、出られないといった競争ですね。それが出てくるのかなというふうに思います。今後については分かりません。


[ 嫁阪 翔太 ]
あれだけ押し込んだ展開だったし、しかも“大阪ダービー”ということで勝たないといけない試合だった。でも、こちらのほうがチャンスは作れていたし、そこを決め切れないと試合には勝てない。

−−後半、あれだけ形を作れたのは今後への手応えになる?
そうですね。今日はオーバーエイジの人が入ってきて、チームにもだいぶ刺激が入ったと思います。いつもと違うサッカーができているという感覚は試合の中でありましたし、いつもなら縦に速いけど、ゆっくりボールを回す場面もあったし、落ち着いてサイドチェンジをしたり、より数的有利を作れたと思います。

[ 平尾 壮 ]
公式記録を見ると、シュート数は僕らが18本で相手は4本。ボールを持つ時間は圧倒的に僕らのほうが多かったと思うし、球際も今週意識してきた部分を出せただけにもったいないというか、勝たないと意味がない試合だったので、すごく悔しい。

−−オーバーエイジ枠が今季初めて用いられたが?
(金)正也くんが入ってくれたことで守備が安定しましたし、攻撃に関しても1タッチでサイドにつけるパスとか、あれで攻撃のギアが上がった。呉屋(大翔)くんの迫力もJ3ではレベルの違う選手がいただけに、僕としてはアシストもしたかった。もっと良い攻撃ができたという反省点もありました。

総評
宮本監督「ダービーということで、選手には勝利を目指して戦おうということでスタートしました。ゴールに向かう勢いとか人数とか、後半に関しても特にあったと思いますし、選手のそういった勝ちに向かう姿勢に関しては評価できると思いますけど、ゼロ点に終わってしまったので引き分けという点では課題が残るというか残念に思います。」

Q「大阪ダービーということで2,000人以上の観客が入りましたが、そういった雰囲気の中でできたことについてお聞かせください。」
宮本監督「選手にはアップ中にたくさんの声援を送ってくれたファンの存在がちゃんと意識できているか、という話は試合が始まる前に言いましたし、そういった中で喜んでもらおうというところでスタートしました。お客さん、ファンの人たちもいつも以上に、ダービーということで勝ちたいという気持ちを持って応援してくれているのは重々感じましたし、それは選手にも伝わって、最後走り切るだったり足を伸ばし切るというところは、効果としてあらわれていたというふうに思います。」

Q「今日はイレギュラーな形だったと思いますが、オーバーエイジ枠でパトリック選手らを起用されました。オーバーエイジ枠についての良かった点と悪かった点はどうお考えですか。」
宮本監督「良かった点は、彼らの選手自身が持つ個の力の大きさがピッチ上にあらわれていたと思いますし、例えば前線でボールを収めるとかボールをしっかりと追いかけるということがあったと思います。守備に関しても正也が入ることで安定感があったと思っています。他にも一緒にプレーすることで学べることがたくさんあって、前日練習から、昨日から合流しましたけどそこでも存在によって選手が学べているシーンもいくつか垣間見えたので、それがメリットだと思います。デメリットという言い方はあまり相応しくいかもしれませんが、もちろん、それによって今後どうなるかは分からないですけど、今まで試合に出られていたけれど、出られないといったところの競争ですね。それが出てくるのかなというふうに思っています。今後については分かりませんが。」

Q「今後の戦いに向けて、前向きな点が今日の試合で見つかっていれば教えていただいてもよろしいでしょうか。」
宮本監督「前向き、そうですね。改善点としては、選手のタイプなんですけど、前に早く攻めるということが苦手というか、それは今まで育ってきた環境だったり、色んなサッカーのスタイルによって、今、18歳や19歳であってもそういうスタイルの選手が多いと思うんですけど、ボールをうまく繋ぎながら、でも相手のペナルティエリア近くに入った時にもっとリスクを負って、ドリブルに変えるであったり、パスワークという点では少しずつ良くなっているとは思うんですけど、危険なところで何ができるか、スピードアップできるか、縦に速く運べるサッカーができるのかという点は改善点として思っています。いい点としては、若いなりに例えば、高校2年生の選手が出てもしっかりと落ち着いてプレーしていますし、高校3年生の選手が出てもやっていますし、それはアカデミーを持っているクラブのメリットだと思うので、そういった若い選手がいい経験を積んでいるというのはあると思います。その中でも2年目や3年目の選手がもっとチームを引っ張っていくことで、もっともっと良くなっていくんじゃないかなと感じています。少しずつ良くなっているとは思っています。」


[レビュー]勝ちきれなかった大阪ダービー。若きガンバの地力と意地が、今季最多のシュート数に

今季、ホームでのJ3では最多となる2,317人の観衆が市立吹田サッカースタジアムに集った大阪ダービー。ウォーミングアップの時点から、選手たちへの熱いコールを送るサポーターの思いは若き指揮官と選手たちに確実に届いていた。
「アップ中にたくさんの声援を送ってくれたファンの存在がちゃんと意識出来ているか」とキックオフ直前に選手たちに檄を飛ばしたのは宮本監督だ。
目指すのは勝ち点3の奪取のみーー。若きガンバは、ガンバの誇りと意地を胸にアカデミー年代からのライバルを迎え撃った。

パトリックと呉屋が2トップを形成し、最終ラインには金を起用。今季初めて、2人のオーバーエイジ枠を用いたガンバ大阪U-23が立ち上がりから主導権を握り続ける。
「彼らの選手自身が持つ個の力の大きさがピッチ上に現れていたと思う」と宮本監督が振り返ったように、オーバーエイジ枠が攻守両面でチームを引き締め、金は最終ラインでC大阪U-23の攻撃をシャットアウト。連敗中は自滅気味の失点を献上し、リズムを自ら失っていたガンバ大阪U-23は守備の安定を軸に、見違える戦いを見せつけた。
「意識していた球際の部分を出せた」(平尾)。両チームともに球際の攻防の激しさを見せ合った前半は、イーブンな展開だったが、昨季2勝しているガンバ大阪U-23が後半、勝利への飢えをピッチで体現する。
前半のみでピッチを後にしたパトリック不在でも、その勢いは止まらない。62分には平尾のクロスから食野がポスト直撃弾。67分にも平尾のクロス性のキックがクロスバーに嫌われるなど、2度の決定機を作り出した若きガンバだったが、課題としていたリスクマネジメントもこの日はしっかりと意識していた。

押し込みながらも、相手のワンチャンスやカウンターで失点する悪癖を見せていたチームだったが「いつもなら縦に速いだけの展開だけど、ゆっくりボールを回す場面もあったし、落ち着いて、サイドチェンジをしたり、より数的有利を作れたりした」(嫁阪)。
8人がブロックを形成するC大阪U-23の堅守を両サイドから揺さぶりながら、崩しにかかった若きガンバが放ったのは今季最多となるシュート18本。それだけに選手たちには悔しさだけが残る結果だった。
「公式記録を見るとシュート数で僕らは18本で相手は4本で、ボールを持つ時間は圧倒的に僕らの方が多かった。勝たないと意味がない試合なので悔しい」とチームの総意を口にしたのは平尾である。

痛み分けに終わった大阪ダービーだが、3試合ぶりの無失点と今季最多のシュート数は必ず、次節につながるはず。勝ち点1に終わった大阪ダービーは6月反攻へのきっかけになるはずだ。

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